今日は文化財保護法が制定された日

文化財保護法 祝日・記念日、○○の日

 
文化財保護法
 
今日は1950年(昭和25年)に
文化財保護法が制定された日です。

前年の1949年の 1月26日に 
法隆寺の金堂が火災にあって
金堂の壁画が傷んでしまいました。

場所によっては粉々に砕けてしまい
完全に壊れた所もありますが

炎で黒焦げになって そこに
描かれていた仏画が失われただけで

壁そのものは残っているケースなど
爪痕は様々なようです。

この傷んだ壁は焼け残った柱などと一緒に
今も保存されているそうです。

ただし一般には公開されていません。

これをきっかけに 文化財の保護のための
総合的な法律として制定されました。
 

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法隆寺の金堂が焼けたという衝撃

 
さすがに法隆寺が焼けたというのは
衝撃が小さくなかったのでしょうね。

明治のころから貴重なものだという
認識は 知っている人たちの全員が
持っていたはずですから。

実は1934年(昭和9年)には
当時の文部省に法隆寺の国宝を保存する
事業部が設置されて「昭和の大修理」が
行われることになりました。

壁画もかなり傷みが進んでいたそうで 
取り外してよそで保存するか 

そのままの状態で保存するかで
少しもめていたみたいです。

その時の学術調査の一環で 
翌年昭和10年にはモノクロだけど

原寸大の写真や赤外線写真、
色分解写真も撮影されたそうです。

これらの写真はオリジナルが失われた今 
貴重な資料になっています。

偶然だったのかもしれませんが 
記録魔の本性が良い方に現れたというか

写真という資料が残ることになって
本当によかったですね。

その時に調査とは別に 模写も
しておこうじゃないかということで

昭和15年から 日本画家4人が
分担して数名の助手たちと共に
模写作業に入りましたが…
2年ほどで中断してしまいます。

無理もないですね すでに
大東亜戦争に突入してますから。

終戦の間際になって 昭和の大修理の
ためでもありましたが 法隆寺を戦火から
守るため避難させようと 解体作業が
始まっていてたのだそうです。

けれども全て解体する前に
終戦を迎え 事なきを得たのでした。

火災が起きたのは 終戦から
3年半後のことでしたが ご本尊とか

裳階(もこし)より上の層など
まだもとの位置に戻していない
状態だったので 難を逃れました。

この火災は出火原因が 
はっきりしていないのですが 公式には

模写をしていた人が使っていた
電気座布団が原因とされているそうで
戦後 模写が再開されていたんですね。

もしもこの模写をしないでいたら 
もしかすると火災に遭わずに済んだかも
しれませんが とにかくこの一件で
模写の作業はやめにしたようです。

そして昭和29年に昭和の大修理も
無事に終わり 落慶法要も済みましたが
金堂の壁は白いままだったそうです。
 
 

金堂に壁画がないのは寂しい?

 
その後1967年(昭和42年)法隆寺は 
やっぱり壁画あった方がいいよねと

いうことになって 朝日新聞社が後援して
壁画を再現してはめ込むことになりました。

昭和10年に撮られた原寸大の写真をもとに 
10人の画家さんたちがそれぞれのアトリエで 

専用に作られた和紙と絵の具で
制作することになりました。 

そして壁画たちは1年も待たずに完成をみます。

1968年にパネルにはめ込んで
金堂の壁に壁画が戻ってきました。

歴史が長いので 数々の危機に
直面してきたと思うのですが 

それでも以前の姿を取り戻せて
本当によかったと思います。

昨今 日本全国のお寺や神社で 盗難や
不審火などが多発していると聞きます。

この際ですから国が補助金を
出してでも 死角の無いように複数の
防犯カメラ設置を義務付けましょう。

万一 防犯カメラのケーブルを切るとか
電源を壊されるなどしたら 

それが通報の合図になるようにプログラムし 
2系統の電源にすればいいのです。

この種の法律は制定されただけでは 
それこそ「絵に描いたもち」です。

貴重な文化財を守る方向で 積極的に
運用・適用していくべきですよね。

過失かもしれない火災による
被害が出たことで 制定された法律ですが

犯罪が多発している現在では
文明の利器を導入して 
しっかり見張っているぞと

無言の警告を発することが 
犯罪抑止につながるのです。

伝承してきたものは
一度失われると元に戻すのは大変で 

防犯のためのコストと
どちらが合理的か考えたら
すぐにわかることです。

私なんか法隆寺の壁画を始め
人目に触れる場所や展示品 美術品などは 

すべて本物そっくりに作った
レプリカを飾っておけば
充分だと思うのですが。(こらこら)

あるいは文明の利器を利用した
入出チェックを厳重にするとか…

大丈夫「顔認証システム」を
ちょっと改良すればいいだけですから。

いずれにしても 大切なものは
みんなで守るという体制が必要なのではと。

管理する寺社や団体などにだけ 
押し付けるのは あまり
よくないような気がします。

貴重な文化財は 私たち日本人全体の
共有の財産であり 過ぎて行った時間と
同じで 一度失われるともう
二度と手に入りません。

これまでの感覚ではなかったことですが 
破壊や盗みといったことを平然と
やらかす人間が 実際にいる以上 

それを認識し それらから防御するという
意味も含めて 自分たちの責任で
守る必要があると思うのです。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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