今日は「成層圏」が「発見」された日

成層圏 ガラス窓

 
成層圏
 
今日は1902年に仏人の気象学者
ド・ボールによって 初めて高い空には

成層圏」という層があることが
「発見」された日なのです。

もちろんこのド・ボールさんが
空の彼方へ飛んでって
見たわけではありませんよ。

ド・ボールさんは退職した後も
個人で気象観測所を作って
観測を続けた人でした。

観測用の気球を使って
上空の気象を観測する実験を
ずっと行っていたのです。

自分で観測施設まで作ってしまうって 
よほど気象に魅せられてしまったんですね。

たぶんいつも違うデータが得られるとか 
そういうものを記録して

仮説→実験実証→また新しいデータ→
仮説→実験実証→新しいデータ

…という無限ループが 面白くて
やめられなかったんでしょうね。
 

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身近な不思議に魅せられた?

 
国の機関にお勤めだったので 
しっかりと基礎もできているし

個人で行った作業でしたが
精度や信憑性が高かったのでしょう。

本当に研究者というか科学者だったんだなと。

そうそうその上 高空観測のために
気球を使ったのは このド・ボールさんが
初めてだったのだそうです。

気球の歴史はけっこうあるんですよね 

1709年にポルトガルの神父さんが模型を
飛ばすのに成功したのが一番古いのかな…。

どうして浮き上がるのか あるいは
飛んでいるのか目の前の現実を
誰も説明できなくて驚いたと思いますねえ。

ただこの神父さん異端として
告発されたみたいだけど
無事だったんだろうか?

何でも異端で片づけるんだから 
簡単なお仕事ですこと。

その後 1783年の初夏にフランスの
モンゴルフィエ兄弟が壁紙でできた
熱気球を飛ばすのに成功しているんですね。

同じ年の夏 フランスのシャルルが
水素を使ったガス気球の飛行実験に成功。

もうねこの後はゴリゴリの開発競争ですよ。

気球の素材と熱し方を工夫して 
ゴンドラを吊るして人を乗せたり

空気をぱんぱんに詰めて操舵などが
できるようにした飛行船が登場したり
人間がどんどん空へ進出して行きました。

気象観測用の気球はゴム風船に観測装置を
取り付けたタイプだと思うのですが 

ド・ボールさんの時代も
きっと同じものだったと推測します。

そんな彼はある時 データの中で地上から
11km付近までは 高度が上がるたびに
気温が下がっていくのに 

その高度を超えてさらに上へいくと 
温度が一定になることに気がつきます。

これはどういうことだ?

ド・ボールさん 観測機器の故障とか
不具合とかではないことや
太陽の影響なども排除するために 

夜に観測用の気球を飛ばしたりと
200回以上も検証を繰り返したそうです。

こういう姿勢はド・ボールさんが本当に
科学者だということを示していますね。

観測とはデータの集積であり 
その精度が結果の信憑性を高めることを

ちゃんと理解していたからこその
行動だと思います。

そしてこれらの結果をまとめて 
大気には性質の違う二つの層があること

地上に近い方を「対流圏」その上にある層を
「成層圏」と名付けて発表しました。

言われないとわからないけど 
不思議ですよね。

「対流圏」は高度が高くなるほど
気温が下がるのに

その上の「成層圏」では温度の変化が
小さいなんてどうしてなのかな。
 
 

地道な観測の積み重ねが今につながる

 
今ではその「成層圏」でも 温度の変化と
対流が起こることがわかっていますし

「成層圏」のさらに上にも 二層ほど
違う性質の層があることが確認されています。

地道な実験の積み重ねで100年以上も
前に発見された「成層圏」ですが

現在の私たちはその場所が
意外に身近になっているようです。

旅客機の国際線では 飛行高度が
だいたい10000mくらい 
つまり上空10km付近を飛びますので。

眼下には雲海 上の方には 
とても静謐な感じのする青い空があります。

美しすぎて怖いあの空に会うには 
自分がそこまで行く必要が…。

えーっと…私は大地に踏ん張って
「対流圏」から見上げる空でいいです。(^^ゞ

美しい映像だけで十分に満足です はい。
(高い所がとても怖い)

ところで気象観測用の気球って
そんなに高い所まで行くんですね。

この事実にはちょっと驚きでした。

今はラジオゾンデと言って電波で
観測データを送りながら飛んでいます。

データがすぐに集まるという以外は 
ド・ボールさんが使ったころの
観測気球とほとんど変わりません。

およそ30kmほどまで上昇すると
風船が限界になって破裂。

ほとんどの機器は使い捨てで
海に落ちるそうですが 観測の都合などで

地表に落ちる可能性のある場合とか 
回収する必要がある場合などは 
パラシュートをつけることもあるのだとか。

「成層圏」まで行って帰って来るなんて 
なんか少しすてきだな。

あ…別に遊びに行くわけじゃないですけども…。

気象観測という仕事で がーーっと
上昇しながら観測をするんですけど

人間が簡単にできないことを 
代わりにやってくれるっていうことに 

少しだけ感情移入しちゃうところが
ありましてね。だはは…。 

私は個人的にド・ボールさんには
「成層圏」のきれいな空を
見せてあげたかったな…。

あの吸い込まれるような静謐な
青の世界にきっと感動すると思うんだわ。

あ、千の風になった時に もうすでに
しっかり見に行ってるね。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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