「おせち料理」の次は「鏡餅」を考えてみます

鏡餅 くらし

 
鏡餅
 
「おせち料理」が一段落ついたところで
もう一つお正月といえば…「鏡餅」ですよねえ。

恐らく日本人なら誰もが あの丸い二段重ねの
お餅を見れば「鏡餅」だと知っています。

今では白い形をして 中に切り餅が
入っていたりしますけれども…。^^;

とはいえ ちゃんとその由来をご存知ですか?

そもそも「お餅」そのものが
「ハレ」の食べ物なのです。

「お餅」には稲の霊が宿っているのだそうで
それをいただくのは命の力を
もらうことだと 昔の人は考えました。

神さまに差し上げる神聖なものとして
特別な日の特別な食べ物

つまり「ハレ」の日に神さまに捧げ
ともにいただく物だったのです。
 

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「鏡餅」は別格?

 
「お餅」の中でも お正月の「鏡餅」は
新年の神さま「年神さま」がそれぞれの家に
おいでになり いらっしゃる場所とされるのです。

「鏡餅」に宿られるのですね。

どうして「鏡餅」なのでしょうか?

この辺りはだいたい見当がつきますね。

「鏡」はご神体とされてきた、
いわゆる「三種の神器」のひとつです。

古墳や遺跡などから出土する「銅鏡」も恐らくは
神さまや死者に捧げられたもの。

当時はきらめく黄金色でピカピカに
磨かれていたと思われます。

きらきらと光をよく反射するものは
それ自体が光り輝くようで昔の人々には
神秘的なものに感じられたのかもしれませんね。

出土品が薄緑色なのは錆びて
緑青(ろくしょう)が吹いたんですわ。

ともあれそういう光るものを
「鏡」と総称したのでしょう、

かなり古い時代から伝承されてきた
呪術的な意味合いが濃いんでないかなあと
思われます。

でもって その神秘的に輝く「鏡」を
模したお餅なので「鏡餅」なのかな。

年神さまが戸別訪問して「鏡餅」を依り代に
滞在して下さり 一家が一堂に会し

ともに新年を寿ぎ 新しい一年の幸福を願う…
そんなイメージが浮かんでくるのです。
 
 

「鏡餅」をみんなで分ける理由

 
当然ですが「鏡餅」は新米で作ります。

暮れの28日頃に餅つきをする家が
多かったように思います。

ここでも忌数字があって「9」のつく
29日は避けて 縁起を担ぎました。

またついたお餅を「鏡餅」用に
きれいな丸い形にするのが
結構大変でしたねえ。

「一夜飾り」にならないように
だいたい30日には飾っていました。

そしてお正月を無事に過ごし
「鏡開き」と称して その「鏡餅」を
みんなでいただきます。

割るとか切るとか縁起が悪いので
「開く」と言い換えていますね。

で、どうして「鏡餅」をみんなで
分けていただくかというと…

年神さまの福は「魂」として
その「鏡餅」に宿っていると
信じられていたのだそうです。

みんなで分けて
「年神さまの御魂」をいただく…
この「御魂」を分けて配ることが
もともとの「お年玉」の意味だったみたいです。

随分と変われば変わるもんですねえ、
全然 違うじゃん。

もちろん「お年玉」をもらうのも
「鏡餅」のおしるこをいただくのも
大好きですけどね。(笑)
 
 

「鏡餅」の飾り方

 
「おせち料理」と同じで
かなり地方色があるようなので

一概にこうだ!とは言えないのですが
おおまかに基本のラインでいってみます。

三方(さんぽう)という
お供え用の器がありますが

うちは直接 神棚などへ
奉書紙または和紙などを
敷いてお供えしていました。

略式(手を抜いて)ですみません。<m(__)m>

実は なぜみかんを載せるのか
知らなくて不思議だったのですが
あれはみかんじゃなくて
「橙(だいだい)」なんですねえ。

そう「代々」に繋がる、
おめでたい意味だったんです。

そういう訳で「鏡餅」の上には
「橙」を載せます。

後は うらじろと呼ばれる葉っぱとか
譲り葉といった縁起のいい植物を飾ったり
串に刺した干し柿を飾る所もあるようです。

また一か所だけではなく 神棚の他
床の間や仏壇 リビングなどにも飾って
年神さまの福をたくさん
分けていただきましょう。

あらためて書いてみると
そうだったんだ!ということ
結構多くありませんか?

私は日本人て宗教に無頓着だよねえと
思ってましたが 少し考えが変わりました。

やっぱり八百万の神さまに
見守っていただいているので

どんな小さなことも神さまに
繋がっていたんだなと思った次第です。

昔から続いていることは 何かの折に
いわれや伝承をちゃんと知っておくことが
とても大切だと感じました。

下手に英語の授業時間を増やすより
自国の文化や歴史をしっかりと教え込む方が
実は英語が話せることの何十倍も
重要なことだと実感しています。

上手にぺらぺら英語がしゃべれても
自国の文化を何も知らない、説明できない
若い日本人留学生のすぐそばで
小声で教えながら思ったものです。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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