「衣替え」の由来とか知ってる?受け継がれる伝統を理解し 心豊かに

衣替え くらし

 
衣替え
 
今日は「衣替え」を取り上げます。

秋に冬支度をしたばかりのような気がするのに
もう夏支度をする時期になったのですね。
時間の経過は早いものです。

こんな調子でびゅんびゅん過ぎて
いくのでしょうか…。とほほ…。

最近は夏物とか冬物とか区別をしないとか
シーズンが終わると処分してしまう人も
いると聞きました。

着るものを使い捨てのように扱うのは
古い人間にはちょっと受け入れられない
風潮なんですけども…たぶん少数派だよね。

「衣替え」は平安時代から続いてきた
ことだから どうしても…とは言わないけど

季節の移り変わりで生活の区切りをつけたり
服などの手入れも含めて 形だけでもいいから
続けてみてほしいですね。

伝統って特定の人が受け継げばいいんじゃなくて
みんなで継承していくものだと思うから。
 

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「衣替え」の由来 歴史を知ろう

 
平安時代からあるよとは言ったけど もとは中国。

かの国でも装束の色は身分を表すことが
あったと思われます。

皇帝の側近くに仕える者 政をする官僚たち
役人 衛兵など たくさんの人が宮殿に出入りする
はずですので 色分けは非常に合理的なんですね。

身分や役職などでも細かく決まっていたんじゃ
ないかなとカラフルな妄想が止まりません。

中国をお手本にいいことはどんどん取り入れました。

それを考えると本当は奈良時代くらいまで
遡れるんじゃないですかねえ。
その頃の貴族の装束とかお手本のまんまですし。

日本に伝わってから宮中行事として「更衣(こうい)」の
名称で定着を見たのが平安時代と。

ただ「更衣」って宮中の女性の「役職」でもあったので
下々の民草にまで降りてきたころには「衣替え」と
呼ばれるようになったようです。

「源氏物語」などにも出てきますが「更衣」とは
天皇の日々のお着替えを手伝うお仕事です。

宮中行事の「更衣」は旧暦の4月1日と10月1日に
行われていたそうで 日付はほぼ継承してますね。

日本人は全員きものを着ていましたけども
季節の気温の変化はもちろん仕事着 晴れ着など
用途にあわせたきものを持っていました。

夏と冬ではかなり温度差がありますし 日常と
ハレの日を明確に分ける習慣もちゃんとしてました。

区切りをつけて 気持ちを新たにすることが
好きだったんでしょうね。

武士の階級ではかなり細かく衣替えを
していたこともわかっています。

季節の変わり目に合わせて しまってあるきものに
風を通すなどメンテしながら長く愛用したのです。

明治維新で洋服が入ってくるなど 衣類の事情は
変わりましたが 習慣は買えませんでしたね。
気候はそんなに変わるもんじゃないですから。

軍隊の制服などの影響もあって学校の制服も
夏と冬では一斉に変えるようになり それが
今でも継承されています。

 

「衣替え」を通じて見えてくるもの

 
先にも言いましたが 気候は衣類を変える必要が
生じるほど激しい変化はしません。(今のところ)

暑い時期と寒い時期 それぞれにあったものを
着て過ごします。

基本的に衣類は人体の保護が目的ですので。
衣類は人間独自のものであり発明品です。

恐らく…ですけど 人体を外界の厳しさから
守ってくれる適切な衣類を作り上げるまでに
結構長い時間がかかったのではないでしょうか。

例えば動物の毛皮で寒さをしのいでいた頃だって
狩りに成功しなければ毛皮を手に入れることは
難しかったはずです。

様々な素材から糸を作り それらを織って布にし
重ねたり繋げたりして衣服に仕上げる

言葉にすればこれだけですが 膨大な手間が
かかっていることがわかりますよね。

手に入れるのに時間がかかるものって
大事にしよう 大切に持っておこうという
気持ちが生まれるものです。

日本の場合長~い間 本当に長い間 自分で着る
きものは ほとんど自分で糸から作りました。

しかも高温多湿で気温の変化が大きい土地柄。
気候にあったものがどうしても必要です。

「衣替え」というのは時候に合わせて
適切な衣服で過ごすという考えが 制度にまで
発展したことのように思えます。

長い時間が経過して人を取り巻く環境は
人の欲望がだいぶ変えてきました。

年に二回の「衣替え」も子供のころから年中行事の
一環として教えていった方がいいかも です。

古くから伝えられてきた伝統の継承とは
ただ何月何日にこういうことをするんだよ…

だけではなく そこに裏打ちされている
「心」の存在を伝えることだと思います。

それにはこんな理由があって こんな風に思って
やってきたんだよ…とその行事の背景まで
思いを巡らす 想像を働かせる訓練が必要。

そうする中で「人やものに対する感謝」や
「物を大切にする気持ち」も育まれていくのでは
ないでしょうか。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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