「お雑煮」は「おせち料理」と並ぶお正月の定番

お雑煮と祝い箸 くらし

 
お雑煮と祝い箸
 
「お雑煮」を食べないとお正月を迎えた気がしない…
そのくらい 当然のようにいただくものです。

「おせち料理」同様 故郷自慢・味自慢てんこ盛りで
もしかするとお隣同士の家でも
「味の違い」があるかもしれません。

「おせち料理」と同じくらいこだわる人は
こだわるお料理だと思います。

シンプルな料理なので 素材の味が
かなりモノをいうのかなと。

あと何と言ってもおめでたいハレのお椀ですので
普段は使わない材料など贅沢に使っちゃう?

普通の素材にも美しく飾り包丁を入れて
華やかさをプラスするのもいいでしょう。

それもこれも「お雑煮」ならではの
いいところじゃあないでしょうか。
 

スポンサードリンク

 

「お雑煮」の出発は前菜だった?

 
もともとは台頭して間もない頃の
武士さんとこで儀礼の宴などの
本陣料理という席で出された
前菜のようなお料理なんだそうです。

軽く何か食しておいてから
お酒を飲むことで胃腸を労わったとか。

空きっ腹にやらかしては
体によくないですからねえ。

汁物というよりは煮物に近かったみたいです。

ですからお正月だけでなく 本陣料理が
振る舞われる度に登場したようです。

ずうっと時代が下って江戸時代になってから
お餅を入れて煮込む 今のような
「お雑煮」のスタイルが確立しました。

参勤交代で人間がごっそり入れ替わりましたので
江戸の文化が地方にも
波及していったものと思われます。

徳川家の作った制度が 図らずも
文化の地方交流に役立ったんですねえ。

まあその前の時代 平安時代においても
地方を治めるためのお役人が
都から遣わされていましたけれど

中には行った先の赴任地に
根付いた人たちもいましたから
お殿様を移動させる効果の
比ではなかったのかなと。

お正月用の「お雑煮」は神聖な食品である
「お餅」を入れることで
おめでたいお料理になりました。

「お雑煮」を煮るのは「若水(わかみず)」を
使うのが 習わしだそうです。

「○○道」などと呼ばれる武道やお稽古事を
されている方はご存知でしょうが
元旦に初めて井戸や泉などから
汲む水のことを「若水」と呼ぶのです。

今は上水道が行き渡っていますから
知らない人の方が多いかもしれませんね。

お水にこだわる方や 近くに
美味しい湧き水がある土地柄であれば
きっと「若水」を汲みに行かれることでしょう。

私んとこは山ですので 美味しい水が
自慢ですけれど… そ、その美味しい水を
水道水に使っているので
水は汲みに行きません。(こら)
 
 

「お餅」が丸くても四角くても「お雑煮」なんです!

 
ここでは 本当にざっくりと分けていますので
「違うぞ こら!」なんて怒らないで下さいね。

どこの「お雑煮」も残らず美味しいのです。

「お雑煮」といったら「お餅」の形ですよね。

千年の都・京風または
関西風は丸いお餅に白みそ仕立て。

関東風は四角い焼き餅に
しょうゆのお澄まし仕立て。

出身地が東西に離れた人同士のカップルは
「おせち」「お雑煮」で微妙な波風が立つと
聞いたことがあるのですが…。

それぞれに慣れ親しんだ味があるので
譲れない部分なのかもしれません。

どちらの味も継承してほしいですし
双方のいいとこ取りハイブリッドな味が
アレンジされるのも
また楽しいかもしれませんので。

京風は「鏡餅」のような丸い形に整えるんですね。

お汁は薄口しょうゆや白だしのお澄ましなのかな…と
イメージしていたのですがそう単純ではないところが
バリエーション豊かでさすがだなあと。

その白いお味噌も優しい甘めの味だそうで。

一度味わってみたいですが
基本的に「お雑煮」の時期に
どこへも行かないからなあ…。

関東風のお餅は切り餅で しかも焼いちゃう。

丸く膨らむからいいやって。

おしょうゆが濃い色をしているので
お澄ましにするなら薄口かな。

そのまま濃い色でも 美味しければ
い~いと思うの。(笑)

はっきり東西で分かれるわけではないようで
先ほども言いました 参勤交代
あるいは「国替え」といって
お殿様が入れ替わることがあったためか
関東風は結構あちらこちらに散らばっている模様。

ざっくりと武家風と京・上方風で
支配階級の影響が色濃いようです。

いずれにしても めでたいお祝いのお料理です。

わけていただいた年神さまの
「魂」が宿るお餅も入っていますし

食卓を囲む家族が 健やかに
過ごせるようにという願いを込めて
地域の美味しいものをてんこ盛りにして
みんなでお正月をいただきまあす!
 
 

おめでたい「祝い箸」について

 
…と、ここでもう一つ お正月を
さらに特別なものにするアイテムをご紹介。

ご存知の方は「ちょっとそれって
お正月特有のもんじゃないでしょ」と
おっしゃるかもしれませんが

おめでたい繋がりですので
ゆるい気持ちでご容赦を。<m(__)m>

ご紹介したいのは「祝い箸」というものですが…
ご存知でしょうか?

先にばらしてしまいましたが
お正月以外のおめでたい席でも使われます。

「祝い箸」というのは
普段使いのお箸とは少し形が違うのです。

普通のお箸って長さはそれぞれですが
片側だけが細くなっていて そちら側に口をつけ
反対側の太い方は持つ方ですね。

「祝い箸」というのは
両側が細くなっているのです。

使い捨てのタイプでも 慶事の席などでは
こういうお箸 見かけますよね。

どちらで使い始めてもいいのですが
こんな形をしているのはちゃんと意味があります。

特にお正月の「祝い箸」の場合 人間が使った
反対側は「同席されている神さま」が
お使いになる方とされているのだそうです。

こういう考え方を「神人共食」といい
古くから日本人が大切にしてきたものです。

うっかり自分で両方使ったり
取り箸代わりにしないようにしましょうね。

「祝い箸」にはきれいな箸袋を
つけることが多いようです。

昔はお正月の準備として
家長が袋に家族の名前を書いて
お箸を入れ 大晦日に神棚に
お供えしておいたのだそうです。

そして元旦から使った後は
自分で清めて 松の内の間は
ずっと使い続けるのです。

新しい年の神さまの福を分けていただき
神さまとともにお祝いをする
それがお正月の意味であり
とりわけ大切にされてきた心なのです。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

スポンサードリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました