「門松」や「注連飾り」は神さまが目印にされるもの

門松と注連飾り くらし

 
門松と注連飾り
 
「正月事始め」にちなんで
「おせち料理」や「お雑煮」など
食べることばかり話してきました。

食べ物以外の家の外回りに立てる「門松」や
玄関、車などに飾る「注連飾り」なども
店頭などで見かけるようになると
いよいよだなと気分がぐっと盛り上がります。

「門松」や「注連飾り」が店にある…
というのは現代の人間の発想ですが…。(~_~;)

ほんの40年ほど前まで うちのような田舎では
地区所有の山林があって 「門松」用の松を
まとめて取って来てはみんなで使っていました。

というかそういうことのために 山林を
所有していたという方が正しいのかもしれません。

今でも縁起物にこだわる人は
取りに行っていると思います。

たぶんそういう方は 自分で「注連飾り」とかも
作っちゃうのではないかと。
 

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お正月には絶対に欠かせない

 
そもそも「門松」や「注連飾り」などは
自分たちの手で作るものでした。

有名な神社の「注連縄」などは 氏子衆が
みんな集まって撚りをかける作業風景などを
TVなんかでやっていますよね?

お正月の場合は それに加えて
各家庭でも「注連飾り」を用意したんです。

上手な人に作ってもらうという方法も
あったかと思いますけれど。(笑)

それではその「門松」や「注連飾り」について
そもそも話 いってみましょうか。

 

「門松」を立てる理由―

「門松」を立てるのは人間のためではなく
おいでになる年神さまに迷わず
我が家へ来ていただくための目印なんです。

今 店頭に並んでいるような
恰好のいいものとかではなく
素朴に松の枝1本を立てる…
そんな感じが原点のようです。

江戸の町民文化の中で 門の両脇に立てるように
なったといわれているそうです。

当然ですが 豪奢なものを
立てられる家もあったことでしょう。

常緑の松は縁起がいいので それと節が
真っ直ぐな竹や 春の花梅をあしらうなど
だんだん華やかになっていたのでしょう。

素朴でも豪華でも年神さまは
どこの家にもおいで下さいますよ。

 

「注連飾り」を飾る理由―

「注連飾り」も「注連縄」も 神さまを
お迎えする神聖な場所という印ですね。

不浄が近づかないように
魔除けの意味もありそうです。

日本の神話で天照大神(あまてらすおおみかみ)が
天岩戸(あまのいわと)へ隠れてしまわれ

とても困ったことになったので
二度とお隠れにならないよう
縄をはったことが由来だそうです。

これは知りませんでしたねえ
「記紀」にまで遡るとは…勉強不足です。

神話が現代に息づいているのが
日本なのだとつくづく思います。

縄で結界をつくり 神さまの
おいでになる場所を明らかにすることは
私たち人間がそこにおいでになる
神さまを 意識することになると思います。

もともとは「注連縄」をぐるっと
巡らせたみたいですが たいへんですし
徐々に簡素化されていったものと思われます。

その過程で「注連縄」そのものが短くなり
綯い方(ないかた)によっていくつかの
バリエーションが登場しできたのでしょう。

恐らくは庶民の間に深く定着したので
よりやり易い形に変化したのでは。

もしも大きな神社さんとかだけで
行われている行事だったら 厳格に昔の形が
守られてきただろうと想像します。

縄が短くなり「注連飾り」として
縁起物で飾られるようになって
より華やかさは増した感じ。

その分 扱いが楽になってより庶民的になりました。
 
 

お正月がハレの日なのは…

 
ところでお正月をはじめとして
祭礼やお祝いする日を「ハレの日」と
言ってきましたが 普段は
何と言っていたかご存知ですか?

日本人は昔から普段 普通の日を
「ケ」と呼んで「ハレの日」とは
明確に区別してきました。

先日「節」という区切りを大切にしたと
言いましたが それに繋がります。

「ハレの日」には晴着を着て
神聖な食べ物を食べたり
お酒を飲んだりしてお祝いし 明確に
「ケ」とは違う非日常を示しました。

身の回りの全てに 神さまが宿ると
考えたので いいことも悪いことも
神さまがなさることと考えました。

ですから いいにつけ悪しきにつけ
神さまをお祀りしてきたのです。

「ハレの日」は神さまと一緒のものを
飲食しお祝いする日でもありますので
華やかなほどケガレを落として
晴れ晴れとした気分になるのです。

そして日常である「ケ」は「ハレの日」に
神さまと一緒にお祝いができるように
その日を楽しみにして 日々労働に励むのです。

農耕が主産業でしたから 作物は
手をかけてやれば 応えてくれますので。

さらには日常である「ケ」ですら
できなくなる病や死などは
「ケガレ」(気枯れ)といって忌み、
清めたり禊とかお祓いとかをしました。

ただ「ハレ」と「ケ」は二つで一つ
というかワンセットと考えたのですね。

人生いい時も悪い時もありますので。

ここら辺のバランス感覚が 実に日本人だなあと。

そして「ケガレ」は「汚れ」にも
繋がるので 何でもどこでもきれいに
掃除してしまうというか
真正のきれい好きなんですね。(笑)
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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