七十二候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)

東風解凍

 

今日は七十二候の東風解凍
(はるかぜこおりをとく)に当たります。

東風と書いて「こち」と読む有名な和歌に
由来したのでしょうか。

もともと春の風という意味だと思いますので
どちらが先ということでもないでしょう。

春の風という字面はとてもやさし気ですが
実際の春の風は わりと強めではないですかねえ?

「春一番」なんて 向こうが霞むくらい
乾いた土埃を巻き上げるイメージですが。

そよ風とか 微風ならいいですけど
季節の変わり目の風ですと
強風の感じがとても強いですね。

硬く凍った地面や氷の浮かぶ池や湖など
優しい風が 通りながら冷たくなりそう。

氷を解かすどころか 風そのものが
冷たくなって 周りを冷やしに歩きそうです。
 

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風が季節を染める?

この候のように風が氷を溶かしてくれると
いいのですが 季節の変わり目ですと
なかなかそうはいかないのです。

強い低気圧などが通って その影響で
空気がすっかり入れ替わってしまうことが
あるのですが そうでもならない限り
風の温度は いきなり変わりません。

ですが暖かい空気が入ってきた…というのは
体感として わかることがあります。

そんな風に幾度か入れ替わりを繰り返して
徐々に本格的な春へと向かうのでしょう。

だって今日はまだ 2月の 4日「立春」ですもの。

ようやく春の入り口にたどり着いたところ。
「大寒」の寒さは 簡単に退いてくれません。

せっかく柔らかくなった風も あっという間に
冷たい風に引き入れてしまいます。

以前にも言いましたが空気は温めにくいし
熱は留めておくことができません。

こんな時だけ夏の暑さを持ってこれたら
いいのにと 思うのですけどね。

風が季節を染めるのは間違いないと思いますが
それはこれから冬に向かう時…のイメージが
強く その逆は難しいのです。

風と表現すれば 動きで存在を感じられますから
イメージし易いということはわかりますが
実際には大気温の変化が季節を変えています。

極端に変化がないと なかなか実感として
捉えにくいですけども。

風があるおかげで 人々の共通認識に
つながりやすかったのでしょうね。

 

東風解凍のは温暖な地域から

七十二候に東風解凍と入れたのは たぶん
長い間 都だったところかな…?

あの辺りなら もうすっかり春の準備が
整っていそうですもん。

冬は底冷えがすると聞きますけど よほど奥地…
というか 標高の高い場所へでも
行かない限り 中心街の辺りは暖かそう。

その標高も高いところが少ないですし。

寒冷地ほど気温が下がらないということかと。

昔 修学旅行に行って 時期は11月初頭でしたが
暑くて驚きました。
若者だったから…だけではないと思います。

また江戸の辺りだったとしても やっぱり
暖かいと思います 関東の平野ですから。

どちらの場所も 吹く風がとろりと甘く
優しい陽光とともに 木々の花芽を
目覚めさせるのではないでしょうか。

気温の下がり方が穏やかで
厳しく冷え込むことが少ないので
春の訪れも早いのだろうと思います。

実際に山の向こうは
季節が一足先を行っています。

車や電車でこちらから山を越えて行くと
本当によくわかります。

冬の気温が高く 冷え込みが緩やかな場所なら
2月に春の風が吹くのも当然かも。

恐らくは 多くの人の感じたままが 共感され
暦に取り入れられていったのでしょう。

春を待ちわびるのは 寒い地域の人だけでは
ありませんからね。

人も動物も植物も みんな春が待ち遠しいのです。

温暖な地域の人たちは 一足早く 春を
見つけることができるのですね。

 

東風解凍には当分ならない寒冷地

残念ながら 寒冷地ではまだ当分の間は
東風解凍にはなりません。

あまり繰り返すと ウザイと言われそうですが
本当に まだ冬なんですもの。

日足とか 光の強さとか 少しずつですが
春の兆しは見えていますよ。

でも冷たい風が音を立てて走り過ぎていきます。
時には白いものを伴うことも…。

枯草たちが カサコソと乾いた音を出して
風にそよいだりしています。

天気はいい方ですが そういう時は決まって寒い。
反対にうっすら暖かいかな…?なんて時は
空は雲に覆われていることが多いです。
そして風はあまり吹きません。

うちの辺りでは 東風は雨を呼ぶ傾向にあります。

天気が悪くなる前に吹き渡る感じ。
その意味では東風は 確かに春の風なのかも。

ですが… やっぱりまだ寒いです。(笑)

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

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