今日は七十二候の 霜止出苗(しもやみてなえいずる)

霜止出苗

 

本格的に暖かいと感じるのは
七十二候の霜止出苗
(しもやみてなえいずる)を迎える頃に
差しかかったからでしょうか。

先日もちらっと触れましたが
私の住む地域では5月になっても
「遅霜(おそじも)」の恐れがあります。

普通霜は「降りる」とか
「降る」とか表現しますね。

だから空の方 高い所から
地面に降りてくるようなイメージを
持たれている方多いと思います、
実は私もそうでした。

ですが実際の物理現象としての
「霜降」とは 空気中の水分が
温度の違いによって
物質の表面に直接個体として
付着する現象なのです。

えっと…何だかイマイチ
よくわかりませんね。
(書いている私もです。 ^^;)
 

スポンサードリンク

 

霜は直接凍りつく現象

よく晴れて風のない早朝は
放射冷却などによって冷やされた
冷たい空気が地表付近に溜まります。

冷気は重たいので下に来るんですね。

で、地表付近も冷やすことになるので
温度が0℃を下回ると周りの水蒸気
つまり水分が そばにある
土など物質の表面に 直接
個体つまり氷としてくっつくのです。

理科の時間に「水の三態」って
覚えませんでしたか?

水は温度によって 液体 個体 気体の
三種類の姿になります。

人間が直接見たり触れたりできる
温度の範囲の中で 三つの姿になる
物質は実は水くらいなのです。

他に存在する多くの物質は
変化させるのに高温高圧が必要だったり

超低温でないと凍らないとか
せいぜい二種類の姿にしか
変化しなかったりと 大変
頑固な分からず屋が多いのです。

ただしそうとは言っても
変化させるのが大変ということは
物質としては それだけ安定した状態に
あるとも言えるのですが…。

ともあれ霜が降るという表現は
実際の現象とは違うということです。

降るわけではなく 空気から氷が
直接生ずるような不思議な現象なんですね。

たぶん しっかり検証した人が
いなかったのではないでしょうか。

くそ寒いのに 何が悲しくて
そんなものを見ていなければ
いけないのかって話ですが。

観察するなら厳冬期 雪の少ない地域で
晴れた早朝 屋外で地面付近を見ていれば
何もない所から白い霜が現れるを
目撃できるかもしれません。

大変寒いので直接の観察はやめといて
定点カメラが便利です。

良く似た言葉で表される「霜柱」の方は
地中の水分が凍って体積が増え
地表を持ち上げる現象で
メカニズムがまた少し違います。

なんだか理科のおさらい教室
みたいになってしまいまいしたね。

 

ともあれ 霜の時期は過ぎたのです

話を七十二候の霜止出苗
(しもやみてなえいずる)に戻しましょう。

寒さからくる霜も止む頃は
植物にとっては待ちに待った春の到来!

来るべき夏そして実りの秋に向けて
力を蓄えた苗に育つ時です。

植物や農作物の種類にもよりますが
苗の時期というのは比較的弱いです。

だから管理をしっかりしてやらないと
いけない時期でもあります。

この霜止出苗(しもやみてなえいずる)の
苗とは 稲の苗のことです。

今でこそビニールハウスやガラスなどの
温室で管理して育てますが
昔は路地(屋外)で 苗代(なわしろ)という
特別管理の水田でした。

特に水の管理はとても面倒だったみたいです。
(遠い昔 親の姿を見ていましたので。)

大切な稲の苗をしっかり育てるためにも
移ろいゆく季節を細かく観察する目が
養われてきて それを暦に残してきたのでしょう。

苗が足りなくなったら大変ですから
どこの家でも必ず苗は余分に作ったものです。

場合によっては 品種が同じなら
融通し合ったりもしていましたね。

手植えの苗は かなり大きく育てて
緑がとてもきれいだった印象があります。

田植え機で植えるようになってからも
うまく植えられなくて流れてしまう苗(浮き苗)が
でてしまったり 欠株(けっかぶ)といって
植えられずに空いてしまったところや

機械がUターンする場所などへは
後から手作業で植え直しをする必要があったので

あらかじめ手植え用の苗も
用意することがありましたっけ。

広い場所は田植え機の登場で大変楽になりましたが
植え直しという作業がどうしてもついて回りますので

結局 田んぼの中を くまなく
歩き回ることには変わりがないという
少し悲しいオチもついてきました。

そうそう手植えは時期が遅いのですが
作業をしていると田植え靴を履いていても
うすら寒かった覚えがあります。

水の中に入りっぱなしの作業でしたからね。

今は昔のことになってしまいましたが
七十二候を目にするたびに思い出します。

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

スポンサードリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました