七十二候 乃東生(なつかれぐさしょうず)

夏枯草 生ず

 

今日は七十二候 乃東生
(なつかれぐさしょうず)にあたります。

実は二十四節気の「冬至」と同じ日
だったりするのですが。

どうしてこの字を使って このように読ませるのか
わからないのですけれど ちょうど半年前の
「夏至」の頃の
七十二候 乃東枯(なつかれぐさかるる)に
対応したもののようです。

ここまでだいぶたくさんの
二十四節気や七十二候を
取り上げてきましたが

この二つは時に同じ日に重なることがあり
その場合は基本的に七十二候の方を
翌日又は翌々日に取り上げるようにしてきました。

なぜなら七十二候の方は
「○月○日ころ」というように
「その日!」というしばりが比較的緩く
「このくらいの時期ですよ」
という感じだからです。

取り上げる方としては大変ありがたいのです。
ただ字面が難しくて 簡単に
読めないのが難点ですが…。(^^;)
 

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七十二候を取り上げるということ

さて今日の候 乃東生(なつかれぐさしょうず)に
話を戻しましょう。

「乃東(なつかれぐさ)」は
そのまま「夏枯草」と書くこともあるみたいで
その場合は漢方薬名であり
「かごそう」と読まれるようです。

これは「ウツボグサ」とも言われる
シソ科の多年草だそうで
七十二候でいわれるように ちょうど今頃
芽を出してくるのですね。

こんな真冬に植物が芽を出すなんて
ちょっと信じられませんが
日当たりのいい場所などに自生
群生するようなので 雪が降っても
その下でじっと耐えているのでしょうね。

「夏枯草」と言われても
「ウツボグサ」と言われても
ぴんとこなかったのですが 写真を見て
あら…この草見たことがあるかも…と思いました。

花のつき方の感じから 私が見たのは近縁の
「タテヤマウツボグサ」ではないかと思うのですが
これは高山植物だそうで…。…やっぱりね。

ウツボというのは弓矢を入れて
背負う入れ物のことで 縦長の花穂の形が
これに似ているのでそう名付けられた模様。

私はウツボといったら お魚のウツボしか
思い浮かばなかったので
あんな怖いお魚とどこが似てんのと
思いましたが 全然違いましたね。

私が見た「タテヤマウツボグサ」は
花穂が短めで上方に花が集まって扁平でした。

寒いので平たく花をつけたのかもしれません。

ただ漢方薬の「夏枯草」は
平地の方の種類かもしれませんね。

そうでないと手に入りにくいため
希少で高価な薬になってしまいますので。

その名の通りちょうど「夏至」の頃に
花が終わり 枯れたようになります。

この枯れた花の部分を
漢方薬として使うそうですので。

シソ科の植物は赤くても青くても
抗酸化作用があると言われますね。

アレルギーが穏やかになるとも言われ
私も夏になるとシソが生えるのを
待ち侘びてシソジュースを作り続けますよ。

寒いこの時期に芽を出して
日足が最高に伸びる「夏至」の頃
枯れてしまうということは
短日性の植物ということでしょうかねえ。

しかも気温の低い方が好きそうですし…。

そう考えると短日性の植物って
二通りあることになりますよね。

寒いころから暖かくなるまでを好むものと
暖かいころから寒くなるまでを
好むタイプという 温度としては
ちょうど反対の傾向を示しますけれど。

それぞれの気象条件に対応した
結果とはいえ とても不思議です。

 

薬にして さらには暦にも…

さらに先人たちのすごいところは
観察力はもちろんですが 植物の力を
自分たちの健康に役立てっちまうという
無謀とも言えるチャレンジ精神ですよ。

どの草がどんな薬効を持っているか
最初の犠牲とその後の長い時間のもと
学習を重ねてきたのでしょうね。

ちなみに観察力と言いましたが
この「ウツボグサ」の場合 畔や土手などに
はびこってとても繁殖力が強いので

お百姓をしている人なら ほぼ全員
この草を知っていたと思います。

そのくらい生命力が強いので
漢方薬としても薬効を期待できるのかな。

一年で一番日の短い時から芽吹いて
一日ずつ日足を伸ばす太陽と一緒に
成長していく「乃東」は
生命力そのものなのかもしれません。

誰もが知っていそうな草であるがゆえに
身近な薬草として人々に
愛されてきた面もあるのでしょう。

日本では昔から止血作用や
治癒の促進などに 使われてきたそうで

枯れたように見える花の部分を
干して使う漢方とは

もしかすると違う使われ方を
してきた可能性が考えられますよね…?

切り傷などの止血とかそんな感じで
そこらに生えていた「乃東」を
使っていたのかな…なんて。(^艸^)

ともあれ 暦にまで取り入れられるのですから
人々によく知られた草であったことは
間違いなさそうですね。

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

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