七十二候 乃東枯(なつかれぐさかるる)

乃東枯なつかれぐさかるる 暦・季節

 
乃東枯なつかれぐさかるる
 
今日は七十二候の 乃東枯
(なつかれぐさかるる)を取り上げます。

また独特の読ませ方をしますねえ。

知っていないと 絶対に読めないですし
意味も分かりませんなあ。

実は半年前にも同じ読み方の候がありまして。
そちらは乃東生(なつかれぐさしょうず)です。

その時は生ずなので 芽を出すというか
生えてくる頃なんです 真冬ですけど。

漢方の生薬に名を連ねている草ですが
寒くても芽を出すほど強いこの草に
薬効を発見したわけですね。

それか他の植物とは少しずれている成長過程に
興味を持ったのかもしれません。

んで ちょうど「夏至」にあたる今頃
枯れてしまうようで この名前がついたのかな。

それにしても「乃東」で(なつかれぐさ)とか
どこにも草のイメージがないんですけど…。
 

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「乃東」は意外に有名?

 
この「乃東」ですが 実はわりとそこらで
見かける雑草みたいなんですよ。

…ということは漢方薬での当て字の可能性も
あるということですね。

それか昔々伝わってきた本国での漢字と読み方が
そのまま残っているのかもしれません。

日本人てカスタマイズ意識は激しいですけども
いいと思ったり 役に立ったりしたことは

あまり手を加えず そのまま使い続けたりする
傾向もあるんですよね。

特に薬はその知識も用法も貴重なことでしたから
下手に手を加えることはしなかったのでは…。

そこらで見かける雑草だけど漢方の薬草だとしたら
普通の人たちも 知っていたことになります。

夏の盛りの今頃の草は 本当に厄介で 草丈も
根張りも最大値になっているので刈るしかない。
ですが 刈っても刈っても伸びてくるんでよ。

毎週土、日になると どこかしらで草刈り機の
音が響いています。
でも…これはごく普通に見かける夏の雑草たち。

「乃東」は変わっていて この夏の時期に
「枯れ」てしまうんですねえ。

昔のお百姓さんたちも この不思議な草は
目にしてたかもしれません。

がんがん育つ雑草の中にあって 枯れている草は
逆にとても目立ったかもしれないなあと。

今 うちのあたりで見られるこの草は
近縁種の方みたいですけども。

名前は「ウツボグサ」というそうで名の由来は
その花の形からのようです。

弓矢の矢を入れて背負うウツボというものに
似ているからそう呼ばれるみたいです。
昔だったら イメージが楽だったでしょうね。

この夏に枯れる草の花の部分をさらに乾燥させて
生薬として使ったのが「乃東」なのです。
 
 

「乃東」の名前を妄想…

 
七十二候に入れるということは「ウツボグサ」も
「乃東」もともに知られた存在だったと
想像できるのです。

薬はもちろんのこと 食べられるものでも
何でもそうですけど 最初の発見がすごいんです。

毒にも薬にもならないなんて言い回しがありますが
もともと一緒だったと思える言い方ですよね。
用い様で毒にもなるのが 薬なんです。

すでに薬として有用性と用い方がわかっている
形で入ってきたものはそこに至るまでの
膨大な時間の積み重ねがあります。

日本と中国はかなり違う歴史を歩んできましたが
一番大きな違いは「戦の意味」の違いでしょうか。

人間同士の殺し合いであることは同じですけど
日本は同族同士の小競り合いなのに対して
中国は異民族の興亡と言えます。

王朝が変わるたびに庶民に至るまで丸ごと
人間が入れ替わったと言われています。

そういう中にあってたとえ敵対民族であっても
医術や薬の知識を持っている者は取り込んだ方が
有益なので利用されることが多く 結果的に
知識が伝承されてきたのでは…と妄想します。

戦に負けた方は奴隷の扱いなので 従わざるを
得ない状況だったかもしれないけど。

悪く捉えると生体実験とかやらかしたかも…
昔はえぐいことやったからねえ。

ともあれ知識として有益実証のあることとして
伝わったことは間違いないです。
んで 日本でも研究は地道に続けられたと。

薬の状態とその動・植物のご生前の姿がすぐに
判別できるものは あまり多くないんじゃない?

薬木や薬草は栽培するなどして 生態観察や
薬にする方法から学ぶんでしょうね。
野山に自生するものであっても観察は必要ですね。

「乃東」みたいに草なのに夏に枯れっちまうとか
変わった子もいるのですから。

あーー、だから…字はともかくそのまんまを
名前にして呼んだのかもしれませんね。

だったら字も分かり易くしといてほしかったけど。
まあこちらは七十二候に入れて一般化したので
何も考えずに覚えればいいとか そうことね。(笑)
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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