七十二候 菖蒲華(あやめはなさく)

菖蒲華あやめはなさく 暦・季節

 
菖蒲華あやめはなさく
 
今日は七十二候の 菖蒲華(あやめはなさく)を
取り上げます。

水辺を彩る艶やかな花です。
葉っぱだけでもとてもきれいですよね。

梅雨真っ盛りの今どきははっきりくっきりの
アヤメさんたちがきれいな時でもあります。

濃い青 または紫が緑の葉っぱとともに
どーんと目に飛び込んでくる感じです。
立ち姿もすっとしていて 美人さんです。

湿度が高くて じめっとしている中で
とても強い自己主張をしているような感じ。

独特の花の形もあるかもですが
見つけると つい見つめてしまいます。

七十二候は「菖蒲」と書いて(あやめ)と
読ませていますが 厳密にいうと両者は
別物…ということになります。

菖蒲は花の色が違いますし 花の時期も
もう少し早いころになります。

ショウブ アヤメ カキツバタの違いを
言ってみ?と言われて すらすらと答えられる人
あまり多くないんじゃないかな。
ぼーーっと生きていなくても。(笑)
 

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いずれアヤメかカキツバタ

 
これらの花は 姿がよく似ていて混同されがち。

花色については様々な色のものが生み出されて
いますので 古くからある伝統色で考えます。

アヤメもカキツバタもどちらも 非常に強い色の
組み合わせなんですよね。

個人的にはあまり組み合わせない色ですが
自然界にある「警戒色」に近い気がします。

「私 毒持ってるから近づかないでね」の意味で
体色などを強烈な色の組み合わせにしてる子たち
結構 多いんですよ。

植物の場合は花を目立たせようとしているケースが
圧倒的に多いかもしれませんねえ。

誰に向かってアピールしているかというと
多くの場合 虫さんたちでしょう。

虫さんたちは人間とは違う太陽の光を
見ていますので 人間が鮮やかとか華やかと
感じる色である必要はないんですね。

長い時間をかけて虫さんたちと共生関係を
築いてきた植物たちの戦略ですから。

さてそれではあらためて ショウブとアヤメと
カキツバタの違い わかりますか?

ショウブは5月の節句にショウブ湯なんて
茎や葉っぱを使いますけども。

サトイモ科に属していて アヤメやカキツバタとは
違う種類で もともと生薬です。

アヤメはアヤメ科で 花をよく見ると中心付近に
網目状の模様が入っているのです。

立ち上がっている花びらと下向きの花びらが
接しているあたりに網目 つまり綾目(あやめ)が
あるんで アヤメというんですと。

なので花色や姿が似ていても そのポイントで
見分けがつくのです。

またカキツバタもアヤメ科で 近縁種ですね。
で、やっぱり花の中心付近を見てください。

下向きの花びらの中央に黄色や網目模様ではなく
白い筋がすっと下向きに入っているはずです。

紫に白い筋 これがカキツバタです。
 
 

「菖蒲華」をゆっくり楽しもう

 
見分けがつくようになったので 花を見て
みたくなったのではありませんか?(笑)

近縁種はともかく 全く他人でもよく似た花を
咲かせるのは 不思議ですよねえ。

しかも色まで似てるとか 偶然にしては
出来過ぎてるような気もします。

植物は見たり考えたり比較したりできないのに。
何かの必然で似てしまったんでしょうね。

アヤメたちは水際に生息域を見出したので
根っこで増えていく感じですね。

すっとした立ち姿とどこか艶っぽさのある
花色が 古くから日本人に愛されてきました。

伝統的な色の名前ではカキツバタという
色の名前があるほどです。

湿度の高い日本では 水辺の涼やかさと
花の佇まいが 涼を連想させたのかも。

実際にはじとっと暑い中でも 目で見た
涼やかさに涼を求めたのです。

水運の整備された場所では あちらこちらに
アヤメやカキツバタが川面にその姿を
映していたことでしょう。

想像しただけでも風情のある絵です。
花が咲いている時間もわりと長めな印象。

岸から見ても 船から眺めても
水辺を覆いつくして 次々と花を咲かせる様子は
壮観だったと思います。

今は 公園や庭園の水辺に広く場所を取って
美しく整備されているアヤメ園などが
全国あちらこちらにあります。

そんなわけで 七十二候に入れても入れなくても
日本人のアヤメ好きは すでにDNAに深く
刻まれているレベルなのではないかと思うのは…
私だけかしらん?

このまま放っておいても変わらないと思います。(笑)
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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