七十二候 蟷螂生(かまきりしょうず)

蟷螂生かまきりしょうず 暦・季節

 
蟷螂生かまきりしょうず
 
七十二候の蟷螂生(かまきりしょうず)を
取り上げます。
ちょうど今頃の候なんですけども。

カマキリさんは今頃 ふ化して出てくるのか…。

うちの辺りは 今月の下旬くらいでないと
出てこないと思いますけどね…。

子カマキリ 見たことありますか?

大人と全く同じ形をしたミニチュアで
体長は2センチ…ないくらいのちびっちょです。

色は大人は緑色をしていますが ちびどもは
薄い茶色をしています。
当然ですが 保護色ですね。

数えたことはないですけど 一つのの卵塊から
とてもたくさん生まれてきます。

虫さんは苦手なんですけども 彼らも
一生懸命生きていますので こういう姿を
間近で見られるのは幸せなことだと思って
「少し離れて」見ていることにしています。

もう少し正確に言えば 好きじゃないので
あまり近くには行かれないという方が
正しい表現になるでしょうか。ははは…
 

スポンサードリンク

 

命をつないでいくということ

 
他の記事でも書きましたけど
晩秋、お母さんカマキリはボロボロになりながら
最後の力を振り絞って 卵塊を産み付けます。

メスのカマキリさんは子供のために
交尾の相手(子供たちのお父さん)を頭から
食べてしまうと言われますが 本当です。

私 現場を見たことがありますので。

ただし すべての個体に当てはまるか
どうかは わかりません 私には。

生き残るオスもいるのではないかと思います。

私は最初に見みつけた時 なんだか変な形の
カマキリさんがいるぞと思ったんですよ。

二匹のカマキリさんがいたのですが 一塊りに
見えたんです 目が悪いもんで…。

よーく見たら片方のカマキリさん すでに
頭の辺りがなくなってて…。

理解した時は若干ショックでしたけども
これも未来に命をつないでいくための
彼らのやり方なんだと思い直して
その場を立ち去りました。

そんな風にしてオスの犠牲の上に次の世代を
つないだお母さんも 卵を産み終えると
死んでしまいます。

ちょうど今頃 卵からふ化して 厳しい
自然の中を生き抜いて大人になれた子だけが
また次の世代を残すんですね。

卵塊から出てくる子カマキリたちは…
どのくらいいるものか…見当がつきません。

蜘蛛の子を散らすよう…という表現があります。

色々な方向にばらばらになっていく様を
表現していると思うのですが

生まれたばかりのカマキリさんもそんな感じです。
どういうわけか みんな違う方向へ歩き出します。

彼らの場合 同じ卵塊で育っていても外の世界へ
出た瞬間から お互いが敵になりますからね。

それこそ命がけで一目散に顔が向いた方へ
走り出すんでしょうね。

誰も教えてないのにちゃんとわかっているんです。
 
 

「蟷螂生」がこの先も続きますように

 
数としてはわんさとふ化するのですが
だからといってうちの周りがカマキリさん
だらけになってしまうかというと
そんなことは全くありません。

大量にふ化する今の時期だけは 数も
多いと思いますが 大人を見かけるのは
ひと夏にせいぜい1、2匹です。

あの大勢の兄弟たちは そのほとんどが
大人になることなく生涯を終えるのですね。

無事に大人になれば カマキリさんは
食物連鎖の上方に君臨する捕食者になります。

しかし大人になれるのはほんの数匹。

ほとんどの子は他の生き物を支える側になる
運命なのですね。

卵塊を見つけて 運よく子カマキリのふ化に
あった時は ちびたちに元気に大きくなってねと
エールを送ることにしています。

薄い茶色の保護色は 一瞬で彼らの姿を隠して
小さな体の多難な人生の一歩をアシストします。
捕食者も小さなうちは弱い存在なんですね。

多くの昆虫さんが取る大量に生まれる戦略は
他の生き物を支えるという意味でもあります。

七十二候に蟷螂生としたくらいなので 昔は
ごく普通に見られた光景だったのでしょうね。

それでもバッタやイナゴのように食害が
歴史に残ることなく
数のバランスが保てているのは

彼らが捕食者になる前に捕食されることが
自然のサイクルにしっかり
組み込まれているからだろうなと感じます。
菜食と肉食の違いかもしれませんけど。

うちのすぐ周りのことですけれども
厳しい生存競争を生き抜いてきていることを
知っていますので 大人のカマキリさんに
行き会っても 私の方が遠くに去ることに
しているのです。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

スポンサードリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました