七十二候 雀始巣(すずめはじめてすくう)

雀始巣

 

今日は七十二候の雀始巣
(すずめはじめてすくう)に当たります。

ちょうど春分の日と同じなので
こちらも取り上げてみようと思いました。
使われている字も平坦で分かり易いですし。

スズメさんはちっちゃくて
身近な鳥さんですが 近ごろはだいぶ
数を減らしているという話を聞きました。

私の家の周りでは けっこう
見かけるような気もするのですが…。

少なくなったと言われれば 確かにさえずりも
昔ほど聞こえなくなったなあ…と。

朝はけっこうにぎやかに
さえずっている声を聞いたものです。

何でもスズメさんたちが巣を作る場所が
減ってしまったようですな。
 

スポンサードリンク

 

スズメさん 昔から小さな隣人だった

彼らは人の家の軒先など
わずかな隙間に好んで巣を作るそうで。

昔の家は作りの都合上 隙間が多かったそうで
屋根瓦の波型の隙間とか とにかく
人の住まいにちゃっかり間借りする形で
巣を作りました。

人のそばにいれば 他の鳥さんの
天敵などからは かなりの高確率で
身を守ることができたでしょうから…。

まあ地上を住処とする別の天敵もいますが
屋根の先端とかは近付きにくかったのでは
ないでしょうか。

ところが近頃は 隙間のない
大きな積み木みたいな家が増えました。

屋根の形も多様化して
やっぱり隙間がないんですね。

ですからスズメさんたちも
巣を作れなくなってしまったのです。

人の暮らしの変化が 身近な小鳥さんに
影響するなんて人間の方は
誰も気付かなかったと思います。

スズメさんは雑食性でイネ科の植物の種
つまりお米や稗、粟といった
雑穀を好んで食しますが
春先はムシも食べるそうです。

まあ日本人と食べ物がかぶっていますよね。

なので古くから 仲良く(?)
共生してきたのだと思います。

 

スズメさん、季節により人に害をなす

で、今頃から巣作りを始めるということは
暖かくなってきたので ムシも
いるようになるということですよね。

そのため 昔から農家ではムシを
食べてくれる点の評価が高めで
益鳥ともされてきたそうです。

巣を作るということは
お相手も決まった後の繁殖行動ですし
生れてくる新しい命を育てるためにも
餌になるムシは重要でしょう。

ようやく春っぽくなってきたばかりの
私の住むこの地域で 今 ムシを
探すのはか~なりたいへんですけれども…。

この寒い場所で いったいどこで
冬をやり過ごすのか…すごいナゾです。

どこか集団で過ごせる場所でも
あるのかもしれませんね。

先ほど益鳥と言いましたが
スズメさんはお米が実る前、
液状の時に集団で食害を起こすので
毎年追い払われているんだよねえ…。

春先のムシを食べてくれる益鳥なのか
お米の害鳥なのか… 悩ましいですね。

恐らく七十二候に言い表した辺りは
春が早めだと思われるので そういう
場所では 益鳥の扱いかもしれません。

春のムシ退治も人がやるのは
けっこうたいへんですから。

大人のスズメさんたちの餌や
子育てのための餌なら
とてもはかどりそうです。

一方 お米の害鳥とするのは
春の遅い地域かもしれません。

ムシ退治をする姿より
秋口の実入りの邪魔をする姿の方が
強い印象に残っていそうな考え方だからです。

ただどちらも人間目線の発想なので
スズメさんたちには「知~らない」
と言われそうですけどねえ。

 

あまりにも身近で気づきにくい?

スズメさんは小さいけれど 縄張り意識が
強いそうで すごく喧嘩っ早くて
かなり本気の闘争を繰り広げるとか…。

人間が見ている限りでは
じゃれているようにしか見えませんが
彼らは真剣に戦っているのですって。

ほっぺに黒い印があって 小さい割には
よく通る声で鳴きます。

鳥さんでは少数派といっていいでしょう、
オスもメスも同じ模様ですね。

当然 彼らにはオスメスの
区別はすぐにつくのでしょうけれど
どうやって見分けているのかなあ?

縄張り意識が強いということは
やっぱり喧嘩っ早いのはオスたちかしらん?

その激しいバトルを見ながら
相手を選抜していくのがメスたちかな?

鳥さんの世界は メスが主導権を
握っていることが多いですから。(笑)

なぜって鳥さんのオスがド派手なのは
彼女たちの気を引くための
涙ぐましい努力と進化の結果ですもん。

人間の都合で住処が減ってしまったなんて
夢にも思わなかったけれど
ちゅんちゅんというさえずりが
聞こえないとさみしい気がします。

あの声で ああもう朝なんだ…と
認識することが多かったですから。

巣作りの頃が七十二候にも入っていることですし
昔の人たちほど親しみを持って
よく観察することは少なくなってしまいましたが
いつまでも人間のそばにいて下さい。

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

スポンサードリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました