今年も「七夕」の時期を迎えました

七夕(たなばた) 暦・季節

 
七夕(たなばた)
 
今年も「七夕」を迎えました。

ほぼ毎年 お天気に恵まれなくて
ちょっと残念な日なのですが。

「七夕」の伝説で私たちがよく知るお話は
中国の春秋時代の文献にも出てくるほど
古くから伝えられてきたものだそうです。

日本には平安時代の初めごろに
伝わったと考えられています。

遣隋か遣唐使あたりが
持ち帰ったのかもしれませんね。

中国も日本もそれぞれに当たる時代から
機織りは生活に密着した重要な事柄でしたし

美しい布を早くきれいに織り上げられることは
生活の支えになっていたのでは
ないかと思われます。

貨幣経済はそれほど発達はして
いなかったかもしれませんけど。
 

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衣装・装束は 人類だけが持つもの

 
ただ平安貴族たちは
荘園という領地を所有していました。

それはただ地面を持っていただけではなく
そこに生活する人も同時に
領民という扱いだったのです。

で、農産物(食料)にしろ
衣料にしろ当時の貴族たちはすべて自前
つまり荘園から納められるもので
賄っていたのだそうです。

広大な屋敷には機織り小屋などもあり
腕のいい職人(織女)が多いほど
立派で華麗な衣装を
身に着けることができたのです。

「伊勢物語」や「源氏物語」などには
貴人が着ているものを脱いで
下賜する場面や説明などが登場しますが

今でいう「一点もの」レベルに
オリジナリティの高いものがほとんどだったので
大変価値があったものと思われます。

実はその伝統 今でも生きているのかなあと
感じることがありました。

たしか宮様がご成婚される折
妃殿下になられるお方 またはお相手の方に
絹の反物が下賜されていたと思います…
一般の結納にあたるとか…。

あくまでも推測の域を出ませんが
そうなのかなと思ったものですから…。
 
 

七夕伝説の織女さんの立ち位置

 
いつものことですが ずいぶんと脱線しました、
お話を七夕に戻しましょう。

七夕のヒロイン織女はその名の通り
機織りをする女性ですから 昔の人たちは
彼女のように 機織りの技術が
向上するように祈ったのですね。

短冊に書く願い事も お稽古事の上達や
成績や技術の向上といったものや
なりたい職業などが多いのは
その名残と言えるかもしれません。

さて織女さん 天帝の娘とされていますが
お姫様自ら働くとかすごくないですか。

中国ではたくさんの王朝が誕生しましたが
働く姫君なんて聞いたことないです。

まあそのあたりが「天の帝」と
「地上の人間」の差かもしれませんけど…。

まして古代中国ですからねえ
戦乱が絶えませんでしたし 彼の国では
女が表に立つと 国が滅ぶそうですね…

たしか…傾国の美女とかいう
言葉まであったりしますけど。

逢引を重ねて仕事をサボったみたいですが
これって織女さんだけのせいじゃないでしょ。

なのに 天帝さんもずいぶんですよねえ…
川の両岸に分けちゃうとか…。

それとも牛飼いの牽牛さんが
気に入らなかったのでしょうか?

牽牛さんが 雇われるか頼まれるかして
世話をしているだけの「牧童」であって
牛さんを所有しているわけでは
なかったとか…? それって…まあ…ぷぷ…。

何ですか とんでもなく
下世話な話になっちまったぜ…。

あー これではナンですので…えっと…
そう身分違いだということにしましょう。
 
 

豪華な衣装は権力をも表した…

 
ともあれ とても腕のいい
織女さんを褒める言葉で、

天人の衣も織れそうだとか、
天の機織りだ!みたいなのが
ごっちゃになったんではないかなと。

最も現実的な発想としては 機織りの
高い技術を持つ一族が存在したのでしょうね。

今もそうですが 中国は広い分
たくさんの民族が暮らしています。

そうした中には工芸や技巧的な産物などを
民族の特色とする方たちも少なからずいますので

遠い昔には彼らのご先祖さまが
王朝を築いたかあるいは 王朝をまたいで
重用されたのかもしれません。

芸は身を助けるといいますし 異民族でも
役に立つ者は生き残れたかなと。

いずれにしろ衣料の生産は どこの国でも
なくてはならないものでしたから
その技術は伝達してもらって
良かったなあと思っています。

それぞれ人々の生活に根差し 住む地域の
気候に合った材料を使って 人類は
本当に様々な織物を生み出して来ましたね。

人間の持つ創造性と 必要性が
しっかり織り込まれています。

特に絹織物は材料から手がかかる上に
希少で 高価なものでしたから
それを布に織るのも 最初は
大変だっただろうなと想像します。

単色でも細かな地紋を織り込むとか
染めた糸を使って文様を織り込むとか

想像を絶する面倒くささで
よく考えたものだなあと感嘆しかないです。

今は伝統工芸として最初から最後まで
すべて人の手で作り出されていく そこに
最も高い価値が出てきていると思います。

七夕をお祝いするように 世界各地に
あるこうした技術の伝承もずっとずっと
続いていってくれることを
切に願うところです。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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