喜劇王チャーリー・チャップリンの誕生日

 
チャップリン
 
若い方はチャップリンという名前を
ご存知でしょうか?

映画の黎明期 まだ音声が
付いていないころから

たくさんの名作を世に送り出して
「喜劇王」と呼ばれたチャップリン。

ですが単なる喜劇には収まらない
強いメッセージ性も多くみられるため

時代によっては批判を浴びたり 
政治的な圧力を受けたりしました。

ですが今ならチャップリンの作品たちは 
深いメッセージを笑いの
オブラートに包んだ傑作として
見ることができると思います。

映画のような社会性の大きな芸術は
時として制作側の思いなどとは
別の方向に受け取られてしまうのですな。
 

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幼少期から 苦労を重ねた…

 
チャップリンは 1889年の今日
 4月16日にロンドンに生まれました。

両親は共に舞台俳優だったそうです。

彼が1歳の時に両親が離婚し 
以降母親に育てられました。

チャーリーの演技の基本は
パントマイムでしたが 
これはお母さんの影響です。

ところが5歳の時 母が
舞台に立てなくなってしまい 

困った劇場の支配人が
楽屋で他の芸人などを笑わせていた

幼いチャーリーの姿を見て 
母親の代わりに舞台に立たせ 
大喝采を浴びたのだそうです。
(子供を働かせたんかいっ!)

母親はこの時以来 舞台に
立てなくなったばかりか 

精神を病んで施設に入れられ 
チャーリーと4つ上の兄は 
保護者を失ってしまいました。

各地の孤児院などや
職を転々としながらも 

俳優の養成所や劇団などに所属し
演技を磨いたそうで
幼くして大変な苦労したのですね。

私の感想ですけれども 人を笑わせたり
面白いことをやってみせたり
そういう人って

こちらが思いもよらない
悲しい思いをしていることあって
驚かされることが多いような気がします。

彼の生み出したキャラクター
「放浪紳士チャーリー」が持っている

すごく滑稽で可笑しいけれど 
どこか寂しげな陰りというか哀愁は 

子供のころの辛く厳しかった生活が
投影されているのかなあと。

私がチャップリンの映画を初めて
ちゃんと見たのは 中華鍋みたいなアンテナで

受信する「衛星放送」なるものが
始まったころのことでした。

初期のころは本当の無声映画で 
字幕が入り人物たちも面白いのですが

何よりもなめらかな動きを
見慣れている者にとっては 

早送りのような動きが 一層
滑稽さを強調しているように見えました。

映画史に残る名シーンはたくさんありますが 
私が気に入っているのは

「黄金狂時代」の中の 
フォークをさしたパンでタップダンスを
踊るシーンです。

そのフォークを持つ手元と
チャーリーの表情を撮っているのですが 

本当に人がダンスをしているように見えて 
すごい演技・演出だなあと。

もちろんチャーリー自身ダンスは上手ですよ、
子供のころそういう劇団に所属して

地方公演などしていましたから 
基礎ができているのです。

後でわかったのですが 私が衛星放送で見た
「黄金狂時代」はリバイバル上映時に

チャーリー自身がナレーションと 
自身作曲の音楽を入れた
バージョンだったようです。

正規の音楽教育を受けては
いないといわれますけれど 

チャーリーは 自分の作品に
作曲して音楽をつけていて 

どうやら本当は
音楽家になりたかったみたいです。

わざわざ左利き用に通常とは
逆の順番に弦を張った

バイオリンやチェロを特注して
愛用してたそうですし 

映画にのせられた彼の音楽は 
どれも美しいメロディラインで

こちらの才能にも
恵まれていたんじゃないかなあと。

チャーリーはかたくなに
無声映画にこだわっていましたが 

時代の荒波には抗えず
普通にせりふや効果音、音楽を
入れるようになりました。

それでも「絵の面白さで見せる」
喜劇のスタイルが 
変わることはありませんでしたし

音が入った方が
やっぱりいいような気がしますね。

徐々に辛口の風刺が入るようにも
なってきましたし 単なる
ドタバタ喜劇だけでは終わらない

メッセージ性を持つ映画を
作るようになりました。

私が全く理解できないのは 
映画では猛烈に批判しているのに
(と 私は感じたのですが)

どういうわけか 米国でチャーリーが
赤狩りにあい 事実上ハリウッドを
追われてしまったことです。 

時代とはいえ 本当に
信じられないことでした。

もちろん その後…
だいぶ時間が経ってからですが 
名誉は回復されています。
 
 

映画人として 功績は多大

 
とても親日家でもあり 
何度も日本を訪れていますし 

長く滞在したこともあるなど
かなり満足してもらえたみたいですよ。

そうそう「放浪紳士チャーリー」が持っている 
よくしなるステッキですけれど 
実はあれ 日本の竹製だそうです。

穏やかで優しい笑顔のチャーリーですが 
映画を作る上では 大変な完全主義者で

ワンカットを撮るのに何日もかけたり 
凄まじいほどの執念で作っています。

そんな人だもんですから 
小道具にも厳しくこだわったそうで 

丈夫で軽くてかつ びよ~んと「よくしなる」
ステッキをご所望になりまして。

恐らく世界中を探し回って
(↑大袈裟)ようやく 
お気に召したのが竹製だったそうです。

無声映画のいい所は 音がないので 
言葉が要らないという所かなと。

言語に縛られることなく純粋に
「絵の面白さ、滑稽さ」で
楽しめるということです。

もちろん全く必要ないわけではありませんけど 
短い言葉でナレーションの字幕が入りますから 

これをそれぞれの
国の言葉にすればいいので 
か~なり楽ですね。(笑)

映画本来の楽しみで 基本でもある
「絵作り」の勉強にはなると思います。

もし興味があり機会があったら 
レンタル店などでコ-ナーを
覗いてみてはいかがでしょう。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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