今日 9月 9日は リシュリュー枢機卿が生まれた日

リシュリュー 生誕 ガラス窓

 
リシュリュー 生誕
 
アレクサンドル・デュマの
「三銃士」などの敵役で有名な

リシュリュー枢機卿は
1585年の今日 9月 9日に生まれました。

この人は実在の人物ですよ。

残っている肖像画などの印象では 
若干陰険な感じのする怖そうな人ですね。

でも仏国では紙幣にこの肖像画が
使われていたりしますけど。

近づかないで済むなら
それに越したことはなく 

敵に回すと怖いので 柱の陰から
そっと見ているだけにして
おきたいタイプの人です。(笑)

お父さんはリシュリューさんが
5歳の時に戦死していて 

この時に王さまから
「司教職」というものを 
戦争の恩賞として
与えられていたのだそうです。
 

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母の望みで聖職者になったけど

 
ただ聖職者たちからは 
資産をリシュリュー家が
私的に使うのを快く思わなくて
訴えられていたとか…。(あれま)

リシュリューさんには
お兄さんが二人いるのですが 

上のお兄さんは軍人で
国王アンリ4世の側近になりました。

下のお兄さんは修道士になりたいといって 
司教職に就くのを拒んだそうです。

お母さんは下のお兄さんを司教にして 
収入を守ろうとしたのですが

嫌だと言われてしまったので 
ちょっと体が弱かったけれど三男坊を
司教にすることにしたのです。

歴史に名を残す立派な政治家に
なるくらいですから もともと
優れた頭脳の持ち主だったのでしょう、 

おかあさんの期待に見事に応えています。

1607年には司教に叙階されていますね。

詳しくないのでちょっと調べてみたら 
司教になるのって大変ですよ。

お兄さんから王さまに口添えを
頼んだみたいですけれども

それにしたって たった22歳で
司教に叙階されるとか普通じゃないです。

やっぱり相当に頭が良くて
真面目な人だったんですねえ。

切れ者過ぎて冷徹に自分の望む形に 
持って行こうとしたから
怖い人になっちゃったのかもしれません。

絶対王政を完成形に
持って行こうとしましたし 
政敵が山ほど居たでしょう。

リシュリューさんを陥れようとする陰謀も 
たくさんあったようですが

ことごとく先手を打って 
難を逃れていたようです。

もしかすると陰謀は
自分だったらこうする…と予想をたてて

芽のうちに摘むとか 先手を打つなどして
いたのかもしれませんね。
 
 

当時のシステムでは司教も政治家

 
当時仏国には「三部会」という議会がありました。

司教のような聖職者も議員として
政治に参加していたのです。

リシュリューさんは弁舌も爽やかで 
他の人よりも頭一つ抜き出ていたようです。 

時の王ルイ13世は母君に頭が上がりませんでした。

メディチ家からお嫁に来た人だそうで 
幼くして王位を継いだルイさんの摂政として 

実質的に仏国を牛耳っており 成人した後も
実権を握り続けていたみたいです。

実は本当に政界にデビューして間もない頃は 
リシュリューさんはこの母后と
その寵臣に仕えることで
足場を固めていったのですが 

国民にはこの一派のやり方が不人気で 
宮廷内で陰謀が渦巻いていたそうです。

そしてついに実力行使が行われ 
寵臣は暗殺 母后は幽閉されてしまいます。

たぶんね 蔑ろにされていた
ルイさんがやらせたんだと思うのよ これ。

で、実行してくれたダルベールを寵臣に
政治を自分の手に取り戻したんです。

リシュリューさんはというと 
罷免されて宮廷から
追い出されてしまいます。

ルイさんてば それだけでは足りず 
さらに遠くの教区へ追いやってしまいました。

形としては失脚ですけれども 
この時リシュリューさんは 
本を書くなどしています。

ところが母后さんたら 
何と幽閉先のお城から脱出して 
反乱軍を組織するんです。

なんつう母親なの まったく。

困ったルイさんてば 何と
嫌いで遠くへ追いやったくせに
リシュリューさんを呼び出して
母君の説得に当たらせるのです。 

自分でやんなさいよ あんたの親でしょうが。

で、またリシュリューさんも
この親子を和解させるという
荒業をやってのけます。

(実際には親子でけんかしている
場合じゃないという対外事情も
あったりしますけども…。)

見事なお手並みと ダルベールという寵臣が
亡くなるということも重なって

リシュリューさん しっかりと
華麗に復活して参ります。

1622年 母君の推薦をのんで 
ルイさんはリシュリューさんを
枢機卿に任命し 同年の4月に
ローマ教皇さんからも叙階されました。

そしてこの後 終生ルイ13世の宰相として
権力の座につくことになるのです。
 
 

政治家の方が向いていたのね

 
まさに稀代の政治家だったといえるでしょう。

つまり味方につければ
こんなに頼しい人はいないということです。

気に入ってもらえれば 
傍に置いてもらえるかもしれないし

そのことでちょっといい思いが
できていたかも…。

ま…権力者の周りに群がるのは 
だいたいこういう発想がほとんどで

権力者へのとりなしを口実に
袖の下とかもらってお小遣い稼ぎ。

まああまりおバカだと見限られて
しまうかもしれませんが

そこそこに知恵が回って 
目端が利いたならば
かわいがってもらえそうです。

ただリシュリューさんくらいになると 
どこまで考えが達しているか
こちらが見当もつかないので 

ほどほどにしておかないと
命取りになるかも…。

頭のいい人というのは
冷徹な判断を下しますから 

都合が悪くなれば いつでも
バッサリ切り捨てられちゃいますので。

政治の世界は周り中が敵だらけの
世界なんだろうなと。

互いの信用は一切ないので 
むき出しの欲望と願望が
ぶつかりあう世界。

立派に着飾っていたり 高い地位で
宮殿に住んだりしてるけど 怖いよう。

そういう中で足をすくわれることもなく 
ルイ13世の宰相として
名を残しているリシュリューさんは 
やっぱすごい人だったんですね。

「三銃士」の主人公たちを
引き立てるためでも 敵役は
脚色なしだったりして。(笑)

…ということは 文字通り
「事実は小説より奇なり」
ということでしょうか。

…あれ おかしいなあ? 
ぜんぜん褒めてないじゃん。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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