今日は名工A・ストラディバリが亡くなった日

ストラディバリ 忌 ガラス窓

 
ストラディバリ 忌
 
「デリケートで繊細」、
「気難しくて扱いが難しい」、
「朝夕で違う」…。
これらは人間のことではありません。

ある楽器について所有者であり 
プロの演奏家でもある人たちの言葉です。

一流の演奏家にこんなことを
言わせる楽器…それは
「ストラディバリウス」
と呼ばれる弦楽器たち。

ヴァイオリン ビオラ チェロ 
マンドリン ギターなどがありますが
冒頭の表現は すべてヴァイオリンに
対しての発言になります。

「ストラディバリウス」とは工房の名前 
つまり店名だと思って下さい。

名工が作る楽器は名器とうたわれ 
大繁盛していました。
 

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名器たちは 気難しい人のよう

 
その店主にして大将が
アントニオ・ストラディバリさんです。

1644年に生まれたとされているのですが 
詳しい日付はわかりません。

23歳くらいの時から アマティという人に
弟子入りして修業を積んで12年 
クレモナのサン・ドメニコ広場に
自分の工房を立ち上げ 即、名声を得ました。

この頃ヴァイオリンなどの楽器の形が 
完成をみたといわれています。

息子二人と一緒に1100挺を
超える楽器を作ったとされていて
今はそのうちおよそ600挺ほどが 
現存すると言われています。

「ストラディバリウス」のヴァイオリンは 
特徴から時期を3つに分けられるそうで

一番後の頃の作品は一般的なサイズより 
若干長めのボディだということで 長さは
355ミリ前後で作られているそうです。

…ということは 共鳴する部分が
大きくなるので音としては 少~し
低めの響きになるってことでしょうかねえ。

ストラディバリさん自身は1737年の
今日12月18に亡くなっています。

彼の死後 名器だとされていたわりには 
「ストラディバリウス」の技術を
継承している者が誰もいないのだそうです。

息子が二人もいたのに 
何をやってるんでしょうねえ まったく。

実に勿体ないことで残念でなりません、
一度失われたものは容易く戻せませんよ。

だから時間が経って残存する楽器が
どんどん減ってしまったので

1挺で軽く億を超える値段がつくとか 
とんでもないことになってるのね。

値が張るのは二つとないという 
一種の芸術作品みたいな扱いだからで

きちんと使いこなせなければ 
ただの古びた楽器なんですわ。

同じヴァイオリンでも
ひとつひとつみんな特徴があって 
個性的なんですと。

冒頭のように 一流の演奏家でも
付き合い方が難しい「楽器さん」だそうです。

一般の人間としては 
腰を抜かすような値段の楽器は 
それを奏でるに相応しい
才能が所有するべきで 

不世出の楽器と才能が出会い 
弾きこなしてこそ芸術だ~とか
思ったりするわけです。

定義づけが好きなもんで…。

現在ではもちろん個人の所有もありますが 
音楽財団みたいな団体が購入して

才能豊かな演奏家の方に 
貸し出すような形を取っている
例もあるようです。

その昔は欧州の貴族や
資産家たちが所有したり 

パトロンとして演奏家に
ゆずったり持たせたりすることが 
ほとんどだったと思われます。

ですが 時代と共にそういう階級から 
流出することになったのでしょうねえ。 

結果 素人にはただの古びた
楽器にしか見えませんから 

その価値が正しく理解されずに 
ガラクタだと思われて
処分されてしまうとか…。

あるいは適切な環境で保存や
ケアがされないために 

楽器として本来の音が
出なくなってしまい 
本当に価値を失ってしまうとか…。

特に弦楽器は温度湿度に敏感なので 
適した環境に置いてやらないと。

楽器も適切な環境にあって 
相応しい才能との出会いがないと
辛い生涯になる…

いえ人ではなく楽器のことなのですが… 
まるで人間と同じですなあ。
 
 

これ以上 数を減らさないようにして

 
数を減らしてしまった名器ですが 
ブラインドテストをしてみたら 

現代の技術で作ったそこら辺のものの方が
いいという結果になってるとか。 

演奏者自身が選んじゃってる
みたいだけど…いいのかなあ?

私なんかただ聞いてるだけだから 
いい音楽ならそれでいいですけども…。

「ストラディバリウス」のヴァイオリンを 
三次元測定でデータ化して
そっくりの精巧なレプリカを
作ったことがあるそうです。 

ところが不思議なことに音色が違うそうで 
寸分たがわず同じように
作ったはずなのですが 

どういうわけか音色を
再現できないだそうです。

「ストラディバリウス」の
音色の秘密は何なのか 
実はよくわからないんですね。

昔から東西たくさんの職人さんたちが 
秘密を解き明かそうとしているのですが
どうしてもわからないんだそうです。 

わからないと無理にでも 
知りたくなるかもしれませんけれど 

それならばいっその事 
秘密のままそっとしておくというのも 
テではないでしょうか…?

機嫌が悪いと歌ってくれない 
そんな風なことを
言っていた人もいましたが

演奏家のいうことを聞いてくれない
楽器というのも 困っちゃいますよ。

名器ゆえに演奏家を
選ぶのかもしれませんが 
それもなんだかねえ…。 

演奏を聴くだけの人間には 
想像もつかない世界が
そこにあるのでしょう。

演奏家さんたちには名器たちと
仲良くけんかしながら 
その才能でもって名器たちを
手懐けてもらいたいですねえ。

そして「ストラディバリウス」の名器から
最高の歌を引き出し 素晴らしい音楽を
届けていただきたいと思います。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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