「ミロのヴィーナス」はミロス島で偶然 発見された

 
ミロのヴィーナス
 
偶然発見されて 仏国人に保護されて
当時の仏国王に献上された「ミロのヴィーナス」。

その王さまがルーブル美術館に寄贈したから
この素晴らしい芸術作品を

今 私たちも、世界中から押し寄せる人々も
見ることができるのですね。

「ミロのヴィーナス」が発見されたのは
1820年といいますから
日本はまだ江戸時代でしたねえ。

場所は「ミロのヴィーナス」が出来た時と
現在ではギリシャですけれども

発見当時の支配者はオスマン帝国で
エーゲ海に浮かぶ島 ミロス島でした。

欧州は陸続きで国がひしめき合っています。

ですから ちょっと振り返っただけでも
”よその国”を経験したなんてことが
ごく普通に存在するのです。
 

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発見されておよそ200年!

 
畑の中から 掘り出されたということで
見つけた人はびっくりしたでしょうね。

ましてイスラムの支配下にありましたから
人の形をした石の像なんて

持っているのを知られるだけでも
罰せられたかもしれません。

しかも女性のほぼ裸体像だし。

ヤバイシロモノを掘り当てちゃいましたが
それでも壊したりせずに 
隠し持っていてくれたのです。

よくまあ こんな大きなものを運びましたよね。

その方が大変だったかもしれない…。

個人の感想ですが「ミロのヴィーナス」は
様々な偶然が重なりあって今があると。

土の中に埋まっていたのに失われたのは
折れやすい両腕の部分だけで済んでいること。

彫像でも人形でも「顔が命」ですので(笑)

その大切な顔が大きな損傷もなく
残っていてくれたこと。

そして発見者が異教徒であるにも関わらず
大切に扱ってくれたこと。
ここまでの偶然に感謝ですよ。

とはいえ あえなく役人に見つかってしまい
取り上げられてしまうのです。

これで二回「発見」されましたよね。ぷぷぷ…。

さらにこの役人 没収したのはいいけど
たぶん持て余したのではないかと思われます。

これも偶然といえば 偶然ですね。

この役人が下手に美術品に関心があったり
逆に上官に相談したりしていたら

「ミロのヴィーナス」は永久に失われたかも
しれないのですから…。

そして偶然はさらに続くのです。

どういう経緯か はっきりしませんが
仏国人で海軍提督の地位にある人物が
この「ミロのヴィーナス」を「発見」します。

瞬時にその価値を理解したといいますから
恐らく上流階級の出身なのでしょうね。

価値のあるものを見る目というのは
養うのに時間がかかるものですので

普段から 美しいものや価値のあるものに
囲まれていないと 難しいだろうなと。

で、すぐに手を打ってくれました。

頼み込んでお買い上げの上に 
仏国大使館へ移したのです。

この偶然の出会いがなければ
「ミロのヴィーナス」は
本当に失われていたことでしょう。

それによく有った「勝手に持ち帰る」ような
こともしていませんので たいへんよろしい。
 
 

造られてからでは およそ2100年超え!

 
こうして提督からフランス王に献上され
王がルーブル美術館に寄贈したのです。

三回の「発見」と数々の偶然が重なり
「ミロのヴィーナス」はルーブルの至宝として
いえ 人類の宝として 存在しています。

ミロス島で発見されたので
「ミロ」の名を冠して
呼ばれるようになりました。

「ミロのヴィーナス」が誕生したのは
ざっくり2000年ほど前のこと。

ほぼ同じころに造られたとされていて
「ミロのヴィーナス」よりも少し後で
発掘された「サモトラケのニケ」など
傑作が多く誕生した時代のようです。

詳しい作者はわかりません。

古代ギリシャの芸術家たちは「人体」に
芸術性を見出し それを表現しようと
していたのでしょうかねえ…。

始まりはシンプルな形だったけれど
徐々にリアルに近づけようとしたというか

「見える通りに作りたくなった」というか

正確なだけでなく「美しい人体表現」を
追求しちゃったというか…。

絵をやる者として 気持ちはわかるです。

「ミロのヴィーナス」を見ていると
その正確さとバランスの良さから
作者の力量に圧倒されますね。

下手っぴの私なんかの言い分では
何の価値もないですけど

絵でも彫刻でも 大きく描くとか
造るとかは バランスを取るのが
とても難しいです。

2000年も前ですけれど 本物の才能が
手がければ 時間の経過を超越してますよ。

その輝きは永遠と言っても過言ではない。

ただ後世の人間の考え方によって
像たちが長い眠りにつくことになったのは
個人的に とても残念です。

数えきれない像が 粉々に打ち砕かれ 
破壊されてしまったことでしょう。 

それを考えると 形が残ってくれた偶然と
奇跡的に美しく保存された偶然にも
感謝しなくてはいけませんね。

もしかしたら破壊から守るために
土の中に埋めたのかも…なんて
思いたい自分がいます。

ともあれ「ミロのヴィーナス」は
光の中で人々の羨望のまなざしを
浴びているのが 似合うと思うのです。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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