七十二候 桃始笑(ももはじめてさく)

桃 咲く

 

今日は七十二候の 桃始笑
(ももはじめてさく)に当たります。

笑うという字をあてて「さく」と読ませるあたり
とても日本的で すてきな表現だなあと思います。

うららかな陽光に桃の花も
ほころぶ頃ということでしょう。

少し大ぶりのピンク色…
それこそ桃色の花が咲き始める姿は
本当に春の到来を喜んでいるように見えます。

木だけではなく 周りも巻き込んで
ふんわり柔らかな雰囲気に包まれます。

花が笑っているように 全体の空気感まで
桃色に染めているかのよう…。

明るい色の花は 数輪 そこにあるだけでも
あでやかで目を引くものです。

それが枝全体に鈴なりに咲いている姿は
まるで春の衣をまとったような

きりりとした中にも あでやかさが
一層映えると感じられます。
 

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いよいよ花の季節が到来

桃は中国が原産で 日本に伝わったものですが
花も実も愛されています。

彼の国では桃は不老長寿の妙薬…
魔よけの力がある聖なる果物とされていました。

実際に薬効も認められますし
薬として伝わったのだと思われます。

春を寿ぐ日本人には 果実は
もちろん花も気に入られたのですねえ。

観賞用の桃がいくつもありますし
切り花として生け花などに使われます。

柔らかい色合いと 桜よりも
少しだけ早く咲くからでしょうか…。

観賞用の品種では花桃(はなもも)といって
それはそれは華やかに様々な濃~い色合いの
花をつけるものがあります。

その品種だけを植えて たくさんの
人々が観賞に訪れる場所もあって
季節には大変なにぎわいになるそうです。

写真でしか存じませんが
色とりどりの花桃が咲き競う
その風景・風情はもお「桃源郷」そのものです。

花のクローズアップももちろんいいのですが
とにかく花の色が多くて その場にいけば
何時間でも見ていられそうな美しさなのです。

ただ…今月の下旬辺りでないと
やっぱり咲き始めないのですね…。

七十二候はやはり暖かい場所で
形が整えられたんだなあと思います。

梅も桃もそして桜も 木がつける花は
咲きそろうと木全体が華やぎますね。

順番に花のつき方が豪華になる感じがするのは
気のせいでしょうか。(笑)

桃は自家受粉するものが多いそうで
どおりで花はあでやかなのですが
香りはあまりないですよね。

春も早めの時期に花をつけるせいか
虫さんたちに受粉の手伝いをして
もらうことができませんから
香りをつける必要はなかったのかなあ。

でも梅はいい香りがするけども…?

花のあと少し経って出てくる
桃の葉っぱや果実は いい香りが
しますけれども…。

そうそう果樹農家さんの映像だったかな
柄の先に丸いふわふわの玉がついた
受粉専用の器具だと思うのですが
人間が受粉している所も見ましたね。

その前に「摘花」と言って たくさんついた
花の中から間隔を開けて要らない
花を摘み取る作業もありましたっけ。

で、残した花に専用の器具で
ぽんぽんと人間みつばちさん(笑)が
受粉させるのです。

桃は自家受粉もするので 必ずしも
人間みつばちさんは必要ないかもしれません。

ただ桃の品種とか農家さんのやり方によっては
この作業が必要なのかなと。

そうやって受粉して小さな実をつけたら
今度はひとつひとつ手作業で
袋かけをするのだそうです。

桃は果実に傷がつきやすいのだそうで
選んだひとつの子を大切に育てるんですね。

りんごや梨などでは「摘花」と「摘果」の
どちらだったかなあ?

…はっ(゜o゜) いかんいかん
花より団子の根性がモロ出しになってるぜ。ぷぷ…。

 

桃は女の子の花として あってる感じ

桃の花は春の季語にもなっていますし
桃の節句として定着していますね。

花があるかどうかは別として
たぶん桃が邪気を祓い
魔よけの力があると信じられていたので

そのご利益をいただき 女の子が健やかで
ありますようにとの願いが
桃の節句にこめられるように
なったのではないでしょうか。

昔は子供を小さいうちに亡くすことは
多かったと思いますので 健やかな成長は
何より大切な願いだったに違いありません。

何時の世だって わが子の健やかな
成長を願わない親などいませんからね。

それと花も果実も使いませんが
桃は草木染めというか 染色の材料として
使われることもあります。

染め上がりの色は比較的渋めの色で
桃の花の華やかなイメージとは
全然違うのですが 日本古来の
染物の染料として使われてきました。

微妙な色合いの違いは 何回染料に
くぐらせたかによって変わってきます。

手はかかりますが 自然で微妙な
色合いのグラデーションができるのです。

昔の人は恐らく 身近にある草木は
何でも使って 染色を試みたんでしょうね。

あらためて思いますが 日本は本当に多くの木に
お世話になって 暮らして来たのです。

七十二候の桃始笑(ももはじめてさく)と
同じ今の時期ですと 私の住む地域では
早めの梅が花を開き始めるくらいで
他の木々はまだ冬の姿のままです。

渡る風も冷たい季節風ばかり…
山の木々など まだ冬の眠りから覚めません。

ですが 眠っているだけで 見えない所で
準備を始めていることでしょう。

桃も桜もほぼ一緒に咲きますので
あとひと月は待たなくてはなりませんけれど。

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

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