七十二候 紅花栄(べにばなさかう)

紅花栄

 

今日は七十二候の 紅花栄
(べにばなさかう)に当たります。

紅花はこの時期に花を咲かせるんですね。

古くから染料として有名ですが
花そのものは 咲き始めはとても鮮やかな
黄色をしていますね。

日本での主な栽培地を見ると 比較的
暖かめな場所が多いかなあ…?

有名な山形県は東北地方でも果樹栽培も盛んですし
その意味では比較的暖かいのかなと。

だってうちの方では紅花は一切見かけないです。

原産がエチオピアと言われているので
こんな寒い所では 育たないと思います。

ですので花の咲いている様子を写真で見るまで
紅花が黄色い花だとは思いませんでした。

開花して時間が経つと赤くなるんですね。

でも黄色いまま摘んで 染料にするんでしょ?
何だか ちょっと不思議な感じがします。

染料というくくりでは この材料からこんな色が
染められるの?!と驚くことも多いですが。
 

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日本に来たのは6世紀くらい

紅花は中国から日本に来た外来植物ですね。

いつ頃伝来したかは 所説あるようですが

奈良時代のお化粧には 赤い印を付けるのが
あったみたいですから 上流階級には
かなり古くから知られた存在だったかも。
高価な舶来品ということで。

当時から都には多くの外国人が居たみたいですし
有力な豪族たちは手土産や上納品として
入手できたんじゃないかと思います。

植物そのものや 栽培方法 紅の作り方とかは
もう少し後の時代かもしれませんが。

もしかすると乾燥させた紅花の形で入ってきてた
可能性もありますね。

染料にするにも 紅を作るにも 花を摘んで
乾燥させてから使うので。

写真を見ると 一面に花が咲いているのは
色のせいか暖かい印象があります。

でもよく見ると 面白い形をしていますね。
茎と黄色い花の間がもっこりと膨らんでいます。

しかも葉っぱは柊のような形で へりも
鋭い感じだし それぞれの角には長い棘が…。
この花を摘むには手袋が必要ですね。

でも昔は…素手で摘んでいたと思われます。
とても辛い作業ですね。

昔から紅花でできた口紅は高級品だったのですが
この紅の色が鮮やかな赤なのは花を摘む人たちの
血の色だといわれたそうです。

辛い思いをして紅花を摘んで作った口紅を
作業した女性たちが使うことはなかったとか。

確かに鮮明な紅色は 血のような感じもしますが
青みが強いので鮮やかな印象なのです。

自然の染料なので人の体にも優しくなじみ
発色も美しかったのでしょう。

染色の後は手もかなり赤くなるようですが…。

 

七十二候に入れるほど 深い根付き

黄色に染まる紅花畑ですが 時間が経つと
花びらに赤い色が混ざるようになります。

黄色に赤が混ざる花の色は とても強い印象で
ちょっと毒々しい感じもします。

葉っぱの棘もありますし 流血の惨事を
イメージしちゃいます。(笑)

口紅だけでなく 文字通り紅色に染める
染色にもこの紅花は欠かせません。

本当に優しい桜色から 幾度も染料にくぐらせ
色を濃くしていった濃い紅まで濃淡の美しさは
まさに伝統の色 そのものですね。

染める布の素材によっても 染まり具合が
違いますからねえ。

生活に欠かせない衣料の染色に使われたので
紅花はしっかりと生活に根付き 日本の文化に
深く寄与してくれたのです。

そうそう色にばかり気を取られましたが
紅花は漢方薬でもあるんですね。
薬にもなるんです。

もしかすると…ひょっとしてですけども
紅花が日本に入ってきたのは 薬としての方が
先だったかもしれませんねえ。

薬として乾燥させた紅花を 煎じていたら
凄い赤い色の煎じ薬ができたとか…?
手が赤く染まっちゃったとか…?

煎じ薬を飲み損ねて こぼしたらシミなって
取れなくなっちゃったとか…?
妄想が止まらないけど。(笑)

いずれにしても外来品は珍しさも手伝って
強烈な印象を残すこともあったかと。

人々の記憶に残り そこからあれやこれやと
カスタマイズが始まっちまう…日本の歴史では
よくあるパターンですな。

現在では紅花は七十二候に入れたようなかつての
隆盛は望めませんが 生産地の町おこしや
観光などに一役かっています。

そして紅花栄の今 畑を黄色く染めています。

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

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