今日は七十二候 黄鴬見完
（うぐいすなく）を取り上げます。
見と完の二つの漢字は それぞれ
目偏がついた漢字が使われていますけれど
環境に依存した文字のため
旁の方だけにしました。
もうこんな時期に鶯が鳴くのですか…
と思ったのは たぶん私だけ。
４月にならないと春が来ない
日本でも有数の寒冷地に生息していると
よその地域とは別の国にいるのでは
ないかと思うくらい差があってカナシイ…。
でも七十二候で取り上げるくらい
本当はそちらが普通なのかも。
暖かい地域はいいなあ 春が早くて…。
あ…でもその代わり 夏があぢいよね。
寒冷地の春は遅くて…
だってねえ「大寒」の時期から もう梅が
ほころび始める所なら 花に誘われて
鳥さんがやって来てもおかしくないですから。
鶯も梅の花が好きなのか…
梅しか咲いていないから やって来るのか…？
そこら辺りは 鶯に訊いてみないと
わからないですけれど でもやっぱり
昔からの取り合わせですよね 梅に鶯。
鶯の姿は 鳥さんとしては相当に小ぶりだし
かなり地味な方ですよねえ。
日本の伝統色で鶯色といったら
かなりくすんだ緑色で…
どちらかというとモスグリーン
という色に近い気がしますね。
あの独特の鳴き声とすごい
ミスマッチなんですけど。
ちびっこいわりには 結構大きな声で鳴く…
ということでしょうかねえ。
それとも音の連なりの加減かなにかで
遠くまでよく響く声とか…？
まあラブコールだと思うので 鳴く方は
大真面目に鳴いていると思いますが。
でも言われているように 鶯も初めから
上手に鳴けるわけではないみたい。
何か おかしな鳴き方をしていて
突然 よく知られた「ホーホケキョ」と
鳴けるようになるみたいなんですよね。
同じ県内なのですが 結構山の奥の方に
親戚がありまして 子供のころ夏休みに１回だけ
遊びに行ったことがありました。
高地なので「盛夏」でしたけれども
鶯がうるさいほど鳴いておりまして…。
そこで いろいろ練習をしているっぽい
鶯さんたちの歌をですね さんざん
聞くことができたので知っているんです。
鶯の歌は聞こえない…
鶯といえば 忘れられない大ボケがあるのですよ。
もうかなり昔のことなのですが
珍しく鶯の鳴き声 例の「ホーホケキョ」が
聞こえてきたことがあったんですね。
あらー 珍しい イマドキどこに飛んで来たの？と
思わず声のする方へ行ってみたんです。
田舎ですし その頃は近所をうろついても
そんなに不審に思われなかった頃ですので
声を頼りに少しぶらぶらしてみました。
あるお宅の方から聞こえるので
垣根の隙間から覗いてみると…。
別の方が訪問されていて そのお宅の方と
お話をしているのが見えました。
その「ホーホケキョ」は なんと
そのお宅の玄関の呼び鈴だったんです。
もっと音量を絞って下さい！
呼び鈴は「ピンポン」にしといてちょうだい！
それからしばらくして そのお宅の呼び鈴は
「ピンポン」になりましたとさ。
で、実際のところ 私の家の周りでは
鶯さんが鳴くことは ほとんどありません。
山の親戚に遊びに行く前あたり かすかに
声を聞いたような覚えがあるのですが
成人してからこっちは 全く
鶯の声を聞くことはなくなりました。
当然ながら この時期には
絶対に鳴きません…というか渡って来ないです。
だってここはまだ真冬のままですから。
下手をすると「大寒」の頃以上に
厳しい冷え込みに襲われることもあります。
鶯には春が遅すぎて
で、ここで花が咲くのは４月になってからなので
鶯さんの恋のシーズンは もう
過ぎてしまっているのではないか…と思うのです。
身も凍るような寒さの中 食べるものもないし
恋の相手を探して鳴き声を競うどころか
環境が厳し過ぎて生きて行かれないわ。
例の鳴き声はたぶん
繁殖期限定だと思いますからね。
小さくて地味な鳥だし 黙って
そこら辺に居ても気が付かないと思う…。
自分の住む場所の近所で 見かけない
会えないだけかもしれないけれど
やっぱりちょっと寂しい気がしますねえ。
高い山では夏の盛りにホーホケキョでしたから
私と同じ寒冷地仕様なのかも。
ま、その気持ち よく分かりますよ、
里はいきなり暑くなりますからねえ。
冬が長すぎて鶯さんたちの
生活に合わないというのが
一番大きな理由でしょうけど
たまには来てほしいなあと思うのです。
あんたに言われたかないわいと言われそうですが
真剣にお相手を探している声とは思えない
のほほ～んとした感じが何ともホーホケキョ。
お読みいただきまして ありがとうございました。
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