七十二候 鮭魚群(さけのうおむらがる)

鮭の魚群がる

 

今日は七十二候 鮭魚群
(さけのうおむらがる)にあたります。

実はとても難しい昔の漢字が使われていまして
文字コードに引っかかったので
当用漢字に置き換えました。

魚偏に草冠なしの蕨という字です。

これで「さけ」と読ませたようですが
私は残念ながらお魚さんに疎いので
全く読めなかったですし
想像もできませんでした。

たぶん使う機会もないと思われるので
忘れちゃうだろうなあ…。

最近 目立って忘れるのが
得意になって来てるし… とほほ。

とりあえず意味が通じればいいかなということで
当用漢字の「鮭」で通させてもらいます。

七十二候は楽しいのだけれど
たま~にこういうのがあってちょっと困るです。
 

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七十二候 暮れの今、鮭の遡上を入れる

え~ 気を取り直して 鮭の遡上は
秋から冬にかけてのわりと長い時間
ずっと続くというか起きるようです。

南北に長い日本の それぞれの川に
帰ってくるわけですから

タイミングがずれるのも当然だし
そうでないと命をつなぐことも
難しくなってしまうでしょうからね。

恐らく昔は 日本の各地で
鮭の遡上が見られたのでしょう。

マスの仲間は生れた川に残る居残り組と
海まで出て行く回遊組とに分かれるらしくて
川で会った子と海から帰ってきた子が
別の子たちだとと思ったのは 人間だけ~。

その人間側の勘違いから
別々の名前をつけられちまいましたとさ。

いいんですけどね 鮭さんたちからは
クレーム来てませんから。

果敢に海へ出ていった子たちが 二回りも三回りも
大きく 見かけも変わるほど たくましくなって
子孫を残すために帰ってくる…

その大冒険の旅を故郷の川で終えるというのも
なんだかとてもドラマチックですな。

でも川から海に出たりして
大丈夫なものなんですかねえ?

どうやら比較的大きな個体が
冒険の旅に出るみたいなのですが…

体力があったとしても
真水と海水では全然違うでしょうに…
具合が悪くなったりしないのでしょうかねえ…?

水の違いを乗り越える能力を獲得しちゃうとか
生き物たちが備えている生き抜く力って
すごいなあと感心しかないのです。

最初に鮭さんたちに行き会った人間たちは
このでっかい魚はどこから来るんだろうとか
不思議に思ったでしょうね。

ある時期になると集団で
押し寄せて来るのですから。

あんな大きな魚がバシャバシャやってたら
ヒグマさんでなくたって絶対気が付きますわね。

全身傷だらけでボロボロになりながらも
必死で故郷の川に遡上してくる
鮭たちの姿を見ていると 何だか
その一生懸命さがとても健気に思えて
ちょっと胸のあたりが苦しくなるのです。
(動悸ではありません)

生き物は命の限り 最期の一瞬まで
その命を生き抜くんだなあ…と。

 

鮭魚群(さけのうおむらがる)のを自然の恵みとして

出かけるところを見ていないので
巨大な姿に成長して帰って来るとは
思っていなかったと想像するのですが…。

鮭が遡上するような河川の
近くに住んでいなくても この大きな魚を
保存して蓄えておくという
発想をした人たちが 山の民と
海の民の物々交換や広範囲に及ぶ
交易などを通して 徐々に広めたのかなと。

山と言えどもかなり上流まで
遡上したといわれていますので
鮭の生涯で 最期の大イベントを終え

自然の摂理のまま朽ちていくのを
山の民も食料として
自然からの恵みとして ありがたく
いただいたのであろうと思います。

北の大地に遡上する鮭たちは
秋になる頃には帰って来て
ちょうど冬眠前の熊さんたちの
大切な栄養源になります。

恐らく日を追うごとに遡上の場所が
南下するのではないかなと思います。

北の位置だったり 標高が
高かったりする場所から
冬がやってきますので 川の上流も
早い時期から寒くなり始めます。

本当の冬になる前に 新しい命を
孵さなくてはなりませんから
それに間に合うように
遡上してくるはずなのです。

 

七十二候はちょっと遅れたけど…

暮れも半ばに差し掛かった今頃に
七十二候で鮭の遡上を
取り上げるということは
平地の河口近くで見られた光景を
伝えたものかもしれません。

決まった時期に帰って来るという現象を
日本人のお礼をするという習慣に
重ねたのでしょうかねえ。

そうでなくても新年を迎える準備を
している時期ですし 新しい年も必ず
やって来ますから そのおめでたさが
強調されたのか…。

ともあれ日本人の考え方や生活に
鮭さんの習性がベストマッチだったのですね。

少々臭みはありますが 食べると
美味しかったのも良かったんでしょう。

少しうがった見方をするなら
そういう習性なのですけれど
日本人には律儀な姿に
見てとれたのだと思います。

自然に対しても きちんと感謝の念を持つ
日本人が見れば 自らの姿に重ね
愛さずにはいられない自然の営み。

それが鮭の遡上であり
そういう心を持ち続けたいと
願ったに違いないと思います。

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

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