七十二候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)

橘の実

 

今日は七十二候の橘始黄
(たちばなはじめてきばむ)にあたります。

橘という植物は寒冷地である
私の身近には存在しないので
知りませんでしたが

今くらいのこんな寒い時期になって
黄ばむ つまり実り始めるんですね。

柑橘類という言葉にも
同じ橘の字が使われていますが
みかんの仲間と思っていいのでしょうか。

みかんの仲間なら 寒い時期に
実るのも理解できます。

橘はとても古くから日本人に愛されてきた
植物だったんですね。

寒冷地のここでは今でも姿を見ることさえ
出来ませんけれど 様々な形で
気付かないうちに見ていたようです。
 

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橘は日本の固有種だったのです!

つややかな緑の葉っぱと 鮮やかな黄色い実の
コントラストはとても美しいですし

ビタミンカラーなので何となく
元気になるような気がします。

橘も常緑樹ですので 一年中
緑の美しい葉を茂らせていますね。

実は橘の果実の実物は
見たことがないので 大きさも形も
知らないのですが 詠み人知らずの歌に

五月待つ 花橘の 香をかげば
昔の人の 袖の香ぞする

というのがあって
きっと香りもいいのだろうなと
漠然と思っていたりするのです。

あ…でもこの歌は花の方を
詠っていますね。てへっ。

真っ白な花びらが 可憐でもあり
すごく清潔感があります。

そうそう私なんかほぼ無縁なので
知らなかったのですが
「文化勲章」はこの橘の花の形を
デザインしたものですって。

そういえば TVとかで
見たことがありましたねえ…。

残念ながら 花もその香りも
実物は知らないんですけども。

驚いているのは 橘って日本古来からの
固有の柑橘類なんですって。

ヤマトタチバナというそうで
知らなかったなあ… 何でもかんでも
中国から来たと思い込むのはいけませんね。

静岡県の沼津市のあたりに
北限の自生地があるそうですし
なんと絶滅危惧種だそうですよ。\(◎o◎)/!

古謡にも古典にも苗字にも そして家紋にも
使われていますので 古くから日本人に
愛されてきた植物だとわかります。

「記紀」に出てくる常世国(とこよのくに)の
非時香果(ときじくのかくのみ)は
橘のことだそうで…。

難しい読み方で難儀しますけれども
「時期を選ばず何時でも黄金に輝く木の実」
ということらしいですね。

寒い時期に実が熟すので
そんな風に思われたのかもしれません。

わざわざ常世国まで探しに行かなくても
日本の固有種で自生していたのに…。

でも常世国の非時香果でなければ
不老不死の霊力はなかったのかな。

人間 誰でも不老不死が大好物ですもんね。

ともあれその常緑が特に
愛でられてきたのでしょうね。

松とかと同じように 永遠を思わせますから
大変におめでたい木であると。

京都御所の紫宸殿の正面に
「右近の桜 左近の橘」として
植えられていますし

…そうそうこの二つの木は
写真などで見ると左右が逆なんですよね。

どうしてかなーーって ずっと思っていました。

右近左近というのは 宮殿から
庭を見た時の左右ということなんだと
か~なり後になってようやく気が付いた私です。

私たちは常に宮殿を正面から
見ているのですから 逆で当然。だはっ。

 

橘を古くから愛してきた日本人

柑橘類なので香りがいいだろうことは
容易にわかりますし

たぶん花もいい香りなんだろうなあと。

「橘の花」は夏の季語にもなっていますね。

とにかく白くてきれいだし
日本人好みの花だと思います。

花も実も葉っぱも 全てを
備えた木だったんですね。

しかもいつ見ても緑で枯れることがないとくれば
気に入るのも当然ですな。

永遠の象徴で ビタミンカラーが
元気をくれますし たぶん香りだけでも
さわやかな気分になれるはずです。

もしかするとそのさわやかな
気分というのは 若返ったような錯覚を
もたらしてくれたのかもしれませんねえ

あくまでも気分だけですけど。

でも残念ながら橘の実は
酸っぱすぎて食用には向かないそうです。

すべすべしていて 3センチくらいの
小ぶりの実は 紀州などの「小ミカン」と
似ているのに… でも加工すれば大丈夫…?
(むりに食べようとするんじゃない)

あとは観賞用にかわいいみかんの
鉢植えとか… 難しいかな…。

長く愛されてきた橘が絶滅危惧種だというのは
ちょっくらショックですが
大切にしていきたいものです。

温暖化が進めば うちの辺りでも
育つのですが… はっ…いかんいかん。

そういえば高校の時の修学旅行は
奈良・京都の方だったし あの時に
橘の木とか見ているはずだけど…
いかん 昔過ぎて思い出せん。

いつか実物に会いに行きたいなあ…
でも…花と実は両方一度に見れないな。

みかんの方が美味しくていいかな…
いかん 目的が変わっとる。

 

お読みいただきまして ありがとうございました。

 

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