9月 8日 二十四節気の 白露(はくろ)

白露(はくろ) 暦・季節

 
白露(はくろ)
 
今日は二十四節気の
白露(はくろ)にあたります。

空気が冷えてきて 草などに露が
つく頃ということでしょうか。

確かにひんやりとした空気の中 草の葉などの
露がきらきらときれいに見える時期です。

私は虫さんたちは苦手なのですが
蜘蛛の巣に露が付いている様子は
たいへん美しく いつまでも
眺めていたいという欲求に駆られます。

運よく発見した時は かなり長く
眺めていると思います。

蜘蛛さんがそこにいるんですけどね
見ないようにしながら…。ぷぷぷ…。

今頃よりももっと夏の盛りの頃でしたが
ある朝早く無数の露が蜘蛛の巣についていて

それら一つ一つに朝日が当たって
きらきらと輝き それはそれはきれいでした。

本当に時間も忘れて しばらく
じーーーっと見つめていました。

すると太陽が移動するので輝き方も変化します。

近付いたり遠ざかったりして 自分でも
眺める位置を変えながら見ていました。
 

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露はきれいなので大好き

 
後で気が付いたのですが その巣の主は
とても大きな女郎蜘蛛さんで

500円玉ほどもありまして
何とも言えない気持ちになりました。

あと露が美しいのはコケと一緒の時ですね。

小さな小さな葉っぱ(?)に
小さな小さな露が光る様子は
とてもきれいで幻想的ですらあります。

コケに詳しくないので
種類はわからないのですが

わざわざ手で水を振りかけて
みたりしたこともあります。

ですがただびっしょりと
濡れるだけの子もいました。(笑)

先日も書きましたが ロータス効果がある
葉っぱなら本当に美しい光景を見られて
うれしくなります。

花の季節は春からですが
ミヤマオダマキの葉っぱにも
ロータス効果がありまして
よく水をためて遊びました。

大きな塊になったり 面白い形になるので
このオダマキ遊びは
ほぼ童心に帰っていると思います。

ですがオダマキは全てに毒があるので
うかつに触れない方がいいと思います。
 
 

露で思い起こすのは…

 
露という言葉を聞くと思い出すものがあります。

「伊勢物語」の中に主人公「昔男」が
高貴な姫君と禁断の恋に落ち
二人でトンズラする場面が出てきます。

「昔男」に背負われて夜通し歩き
芥川(あくたがわ)のほとりまで来ます。

河原には草が生い茂り 周り中に
きらきらと光るものが…。

姫君は「昔男」に問いかけます。
「あれはなあに 珠か何かなの?」

この当時の本物のお姫さまは
露を知らなかったんですねえ。

確か18歳くらいだったと思いますが
自分で歩くこともしないし たぶん普段から
外へも 出ることはなかったのでしょう。

当時の女性たちは 人に姿を見られないように
していましたから 文字通り
「深窓の姫君」だったのは間違いありません。

昔の「やんごとなき身分の殿方」は
恋をするのにも「教養」が必要でした。

屋敷に通いつめて門番、下男、文遣い、
乳母、侍女を通して 和歌を
やり取りできるようになるまでが
ものすごく大変だったんですよねえ。

まず乳母や侍女が見て 使う紙のセンスが
よろしくないとか 字や和歌が
へただったりすると即 却下で 全く
相手にしてもらえなかったみたいです。

誰に見られても恥ずかしくない和歌を詠み
上質な紙に美しい文字でしたためる
とても重要な判断基準だったのですね。

「芥川」のとても有名なシーンですので
ご存知の方も多いのではないでしょうか。

ただしこの場面は 雷雨の中を
あばらなる蔵で雨宿りをする…と
続くので 露なのか雨のしずくなのか…
まあどっちでもいいですけど。

きっときれいに見えたのでしょうし
露の美しさは変わらないと思います。
 
 

でも芥川というのは…

 
いわゆる排水のことなんですよね。(><)

都の街中から芥川の川べりまで来て
生い茂る草にたくさんの露がついて
光る様子がはっきりとイメージできます。

昔の人はろうそくなどの明かりくらいしかない中で
生活していましたから かなり目が
良かったのではないかなと推測するのです。

今よりもかなり暗い中でも あるいはわずかな光でも
闇に慣れているというか
けっこう見えていたのではないでしょうか。

実際に在原業平さんと藤原高子(たかいこ)さんは
駆け落ちもどきをやらかしました。

「伊勢物語」の「芥川」の段と
ほとんど同じ展開で この後 姫君は追いかけてきた
彼女のお兄さん達に連れ戻されてしまいますし
業平さんは遠く関東へ左遷されてしまいます。

どこまでも雅やかに「東下り」とか
言っちゃってますけどね。

「伊勢物語」の「芥川」の段では
姫君は鬼に食べられちゃうと
表現されていますけれど
本当は上記のような結末です。

「昔男」は 嘆き悲しんで思わず和歌を詠みます。
白玉か 何ぞと人の 問いし時
露と答えて 消(け)なましものを

色男は腕に覚えがないので戦えないし
感動や思ったこと感じたことを口に出すと
それは和歌になってしまうのです…。ぷぷぷ…。

私は業平さんが大好きなので
何でも許しちゃいますが 露を知らない
お姫さまに恋ができる
31歳の業平さんというのも すごいなあと。

この人はどちらかというと年増に
追い回されるタイプだと思うのですが。ぷぷぷ

ご当人も か・な・り、相当に守備範囲が
広かったみたいですけども…。(^艸^)

あれあれ白露から どえらい方向に
ひん曲っちまいましたぜ。

昔の大宮人には敵いませんが
細かいところをよく観察して

少しでも近い感覚を持つことができたら
いいなと思います。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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