10月13日 七十二候 菊花開(きくのはなひらく)

菊の花 暦・季節

 
菊の花
 
今日は七十二候の菊花開
(きくのはなひらく)にあたります。

菊の花は今では通年でみられる花になりましたね。

人間が光と温度をコントロールして
菊に勘違いさせて 花を咲かせちまうとか
人間の所業はずるいですなあ。

それもこれも好きだらからこそ
でもそうやってもらうから 一年中
いつでも菊を愛でることができるので
これは知恵の勝利ということで。だはは…。

菊はとてもたくさんの愛好家がいますし
これから方々が開く菊花展なんて
本当にものすごいですよね。

どうやったらあんな風に作れるのか
私が知らないだけでしょうが
とにかく 文字通り丹精する
その惜しみない愛と努力に拍手です。
 

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菊は中国で生まれ、来日した外来品種

 
菊さんは多年草だし 挿し木ですぐに
増やせたりするので 加工というか
人間の思い描くイメージどおりに作ることは
比較的楽にできるのかもしれません。

でもこうした園芸はやっぱり
江戸時代くらいに盛んになったようです。

しかも万葉集などには
菊を詠んだものがひとつもないのだそうで
日本には菊が自生していなかったのでは…
と言われているそうです。

恐らくは奈良時代の終わりごろから
平安初期に 中国からもたらされたのでは
ないかといわれているそうです。

薬草として入ってきたのでしょうね。

菊の香りってどこか
薬草っぽい香りですもの。(個人の感想です。~.~)

そしてまた菊は 日本の土壌や
気候風土に合ったというか
よく根付いたのだろうと推測されます。

菊自身が持つ丈夫さというか
強さもあると思いますけれども。

その後 900年代初めごろに
編纂された「古今和歌集」あたりから
和歌に詠み込まれるようになったそうで
日本でも広まったんですね。

時間的なタイミングを推測すれば
廃止される少し前の遣唐使あたりが
持ち帰って来たのかもしれませんねえ。

そして鎌倉時代の初め 後鳥羽上皇が
菊の花をデザイン化した菊紋を
皇室のご紋に決めたのだそうです。

他にも武家さんが 菊の花や葉っぱを
モチーフにした家紋を用いていますね。

こんな風に菊は広くそして深く
日本人の生活に浸透していったのです。

武家が旗印のような感じで
家紋を導入したことが 家紋の普及に
一役買っていたかもしれませんね。
 
 

菊を愛でる文化へと進化

 
平和が続いた江戸時代に 観賞用植物の愛好が
一気に広がって 菊の栽培も盛んになり
品評会などが各地で行われたそうです。

栽培が盛んになるということは
量が増えるということで これは思いがけない
突然変異の花とかが 出る可能性があります。

花びらの形とか色とか
きっと様々に変化したんでしょうね。

量が増えてくると 人間が意図しない
色や花形とか生まれるんですよね。

そういう変わり種を交配して
さらに変わったものを産出するという…
植物栽培の面白さに はまって
やめられなくなるんです。

この頃は 菊の花の観賞ポイントとして
咲き初めから咲き終わりまで 花の形が
変わるのを楽しんだのだそうです。

今の感覚からすると 時間の経過を
楽しむようなとても悠長な感じがします。

そういわれてみると菊の花って
長く咲いているんですよね。

切り花でも鉢物でも路地でも
寒さに強くていつまでも咲いています。

庭にある菊は葉っぱが霜で真っ白なのに
ちゃんと咲いていましたから。

他の花々が次々に萎れてしまう中
少々の寒さにはへこたれない強さも
日本人に好まれてきた点なのかもしれません。

ここで余談ですが 個人的に菊と言えば思い出す
あるお間抜けな夫婦の話をしましょう。

かなり以前の話になりますが
ある時花の好きな奥さんが 1本ずつ鉢植えにした
大輪咲きの菊を数本 大切に管理していました。

大きくきれいな花になるように 真ん中に
出て来た花芽を残して 他の脇芽は
きれいに取り除いていました。

こうすると一つだけに集中して
大輪咲きがさらに大きく咲くのです。

ところがいつまでたっても 花が咲きません。

よく見ると残しておいた
花芽が無くなっているではありませんか。

ショックで奥さんが呆然としていると
野良から帰ってきた旦那さんが
はずんだ声で話しかけました。

「花芽、俺が摘んでおいてやったから
今年はいい花が咲くぞ。」

その年は秋の柔らかい日差しの中に
豊かに葉を茂らせている「菊の茎」が
葉を風にそよがせながら静に佇んでいました。

それ以来 旦那さんは奥さんの鉢植えには
一切近寄らなくなりました。

こういうことをやらかす
夫婦の間に生まれたのが 私です。(ー人ー)
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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