七十二候 蒙霧昇降(ふかききりまとう)

霧がかかる 暦・季節

 

 
今日は七十二候の蒙霧升降
(ふかききりまとう)にあたります。

私たちの知っている漢字のイメージとは
少し違う気がするのは たぶん
時間の積もり方が 大きいせいでしょう。

季節の進み具合を表現するのに
昔の人の感覚が幅を利かせています。

その文字を使った人たちの感覚を
想像しながら あれこれ考えてみるのも
また 楽しいものです。

少しだけ 涼しくなってきたものだから
ちょっと余裕をかましてみます。(笑)

ざっくり言うと 霧というのは
暖かくて湿り気の多い空気と冷たい空気が
出会うと発生するのです。

霧が深い場合は 思いの外 しっかりと
ぬれてしまうこともありますね。
密やかな季節の変わり目かもしれません。
 

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季節で呼び名が変わる…?

 
ちなみに「霧」と呼ぶのは 暖かい時期。
春のころには「霞」と呼んだりします。

もちろんどちらもほぼ同じ原理で
出現する 同じものです。
ですが 季節で呼び方が変わります。

絶対的な決まりではありませんが
そんな風に呼びならわしているのですね。

同じものを複数の呼び名で呼ぶことは
日本語の場合 かなり多いかなと。
はい、言霊の幸(さきわ)う国ですから。

人が呼ぶのですから 地域でも
状況によっても変わるでしょう。

呼び方はともかく ふわっとすべてを
包み込んで隠してしまう霧は
ミステリアスな存在です。

気象現象ですので 条件が合わないと
見ることはできませんが
この季節は 暖かく湿り気の多い空気が
どっかりと居座っていて 暑さを
助長しているような感じがします。

ですが 少しだけ紛れ込んでいる
秋っぽく涼しい空気が出会うと
大気中なのにも関わらず 小さな
水滴になってしまうのですねえ。

ざっくり見ると 何もない空間から
白い霧が発生するわけですねえ。

私たちはおよそでもざっくりでも
霧が発生する原理を 基礎知識として
学校などで学んでいます。

なので 条件が合えば そういう現象が
起こるんだよね…と思って見ていますが
昔の人たちにとっては 理解不能
摩訶不思議な現象だったのでは…と
妄想がさく裂します。

時期的に見えることが増えたり
出現する場所が増えたりすると
目撃者や経験者も多くなり
きちんと学習されていくのでしょう。

呼び方も 一時的には増えるかもですが
逆に収斂されていったのかなあ…と。

季節の巡りとともに繰り返されただろう
ということは 容易に想像できます。

山岳地帯のように気温差が大きいと
霧が出るのは一年を通して普通のことです。

また巨大な水たまり、海上でも
霧はよく発生します。

発生する場所によっては 人命に関わる
重大事故にもつながるので
自然の驚異の一つでもあります。
 
 

今、この時期に深い霧が出現するのは…

 
わざわざ七十二候で蒙霧升降
(ふかききりまとう)と取り上げています。
今よりも 霧が多く発生したのかもしれません。

空気の温度差が大きい方が 霧の発生も
多くなるのでしょう。

もちろん湿り気というか 空気に含まれる
水蒸気の量も大きく作用します。

まだ暑い時期ではありますが 朝夕や夜など
少し温度が下がるようになります。

空気の中にある水蒸気が 霧へと変化するのに
私たちが思うよりも 小さな温度差でも
生じるのかもしれませんね。

朝 外を見たら 一面の霧だった…
なんてこともあります。

もっともこういったことは もう少し
秋が本格的になった頃の方が
多いように思われますが…。

もしかすると 七十二候に変更が
加えられたころは 温度差が大きくて
霧の発生が多かったのかもしれません。

気候は数百年の単位で 変動を繰り返すと
言われていますので あるいは
今の方が ずっと暑くなっているのかも。

いずれにしても 気温は地域によって
だいぶ大きな差があるものですね。

私の住む地域が 8月になれば
ぐぐっと秋めいても よその地域では
連日猛暑日!熱帯夜…!というのは
毎年 確定事項になっています。

8月に秋めくとか 霧が出るとか
暑気中りかい?と言われそうですね。(汗)

湿り気を持った暖かい空気の存在が
とても重要で その意味では今の方が
条件を満たしているといえます。

でも得てしてそういう時期は
冷たい、あるいは涼しい空気が
なかなかできないんですよね。

ふたつの空気が 出会って
温度差が生じないと結露しませんから。

それと風が強すぎてもだめですね。

意外と霧ができるってのは難しいなあ。

一応 七十二候に取り入れられているので
昔はそういうことが起きた 又は
多かったと解釈していただければと思います。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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