七十二候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)

虹をかける 暦・季節

 
虹をかける
 
本当は11月22日ごろで
少し遅れてしまいましたが

七十二候の虹蔵不見
(にじかくれてみえず)を取り上げます。

読んで字の如くなのですが
この頃はすっかり冷えていますし

空気も乾燥気味ですので
虹はもう見えなくなりましたね。

空を見上げることも ほとんど
なくなる時期でもありますけれど

実際に出現する回数だって
激減していると思います。

以前も書きましたが 虹が見えるためには
太陽の光の角度が大切なので
これが違うだけでも見えなくなります。

大気の水蒸気の状態だけで
虹が見えるわけではないのですね。

理屈がわかっていても 不思議だなあ…。
 

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虹が見えなくなるのは隠れるの?

 
昔の中国の人は虹を竜だと思っていたようで
悪くない発想ですが 色などには
注目しなかったんでしょうかねえ。

それとも こういう色の竜だと
思っていたのかもしれませんね。

たまにしか現れないし いつの間にか
消えてしまうし 竜だと思っても
仕方ないと思えます。(^艸^)

でも竜にしてはあまりにも儚い感じがしますねえ。

私は竜といったら とても力強い印象を
持っているのですが…。

どちらかというと真っ黒な入道雲を従えて
稲妻の閃光と共に 雲間にうごめく巨大な姿とか

多くの絵師さんや彫刻家さんが残しているように
すごくグロテスクな姿をイメージしちゃいます。

これだって中国の竜のイメージだと思うのですが
色調を黒っぽくしたり 顔の感じなども
グロテスクにすることで やっぱり力強さを
強調しているのだろうなと思うのです。

西洋のドラゴンみたいにでっぱらではなく
ヘビのような長い胴体に鉤爪のついた
四本の足がある あの姿が竜として好きですね。

ヘビさんにはお目にかかりたくないと
思っているのに 竜とか龍神さまとかは
お姿を拝みたいと思うのは どうしてだろう?
ずっと怖いような気がするんだけど…?

吉祥のはずなのに どうしてあんなにすごい姿に
デザインされてるんだか…。

それこそ虹のようにすらりと
色もきれいだったらよかったのに。

もしも竜さんが本当にいたら
クレームつけられますよね きっと。
 
 

昔の人のイメージを想像するのは楽しい

 
虹は当たり前ですけど
とても静かというか動きがないので
竜のイメージには か~なり遠い感じがします。

それとも脱力して のたーーっとしてると
虹みたいなのかなあ?

あ…そうか そういうことだな、
虹は竜じゃないってわかってるから
私は あーだこーだ言ってるんですね、きっと。

虹が何なのかわからない状態なら
あるいはこんな理屈はこかないです。

昔の人は あの雲の所に見えているものが
何なのか わからなかったのですから
知っているもので解釈するしか
なかったのでしょうね。

表れるのも不思議なら 消えていくのは
もっと不思議だったことでしょう。
本当に見えなくなるのですから…。

でも たぶん日本人は古くからの
中国の竜のイメージがちゃんと
定着していたと思われるので
空の虹を竜とは思わなかったと思います。

何だかわからないけれど
きれいな色の橋…みたいに思っていたのでは…?

だってほら 日本人は虹と
似たような橋を 平安の昔から木で作って
川に架けていたじゃないですか。

きれいな丸みと欄干が優雅な
太鼓橋……あれ あの橋も元は中国だよね?
 
 

虹は 竜?それとも橋?

 
ともあれ中国の人たちも虹を竜と見たのは
むかーーしの人たちでしょう。

だいぶ後になってあの竜を
デザインしたんだと思います…。

虹は虹として認識されていたでしょうし
漢字にはそのイメージが残りました。

漢字の字面を変えることは
長い間許されませんでしたからねえ…。

そしてもう師走の足音が聞こえる今日この頃は
その不思議な虹を見る機会も
すっかり減ってしまう…

そんな時期なので 虹蔵不見と
言い始めたのでしょう。

昔の人たちも きれいで不思議で
儚い虹を見つけると うれしかったのかな。

季節としては外れますけれど
薄い雲と太陽が重なって輪のように
見えたり 彩雲と呼ばれる
虹色の雲が見えたり 空には不思議で
美しくそして儚い現象が多い気がします。

太陽の光と水蒸気が作り出す
すてきなイリュージョンですね。

そんな虹もデリケートな
気象条件が合わなくなるので
これからしばらくの間は
見えないことが多くなります。

また暖かくなるまでの辛抱ですが
私のうちの辺りでは まるっきり
半年先までお預けですので 少し寂しいです。

その代わりと言ってはナンですが、
冴え冴えとした夜空を楽しみに
見上げようと思います。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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