10月24日 霜降を過ぎる頃

草の霜 暦・季節

 
草の霜
 
10月も半ばが過ぎ 二十四節気の霜降を
見送る頃になると ようやく
平地くらいまで紅葉が下りてきます。

広葉樹が多い森では色とりどりの紅葉が
山のすそ野を染めて行きますね。

秋は高い山から始まり
すそ野に降りて来るころには
始まりの高い山は もう
冬になっているのです。

暑さは南の海の方からやって来る。

寒さは高い山から降りて来る。

そのきっかけははるか遠い北の果て
氷の大地が冷やした空気から…。

紅葉という自然の彩色が 音もなく
辺りを秋の色に染めて行きます。

正確にはちょっと冷たいさを増した風が
木々を染め上げて行くのでしょう。
 

スポンサードリンク

 

気温と紅葉と青い空

 
10月になっても まだ暖かいというか
暑いくらいの気温が続くようになりました。

私が子供だった頃は 今頃には
雪が舞うこともあったというのに…。

季節風は野山を秋色に染める主役だと思います。

もちろん気温が下がることも絶対条件ですが。

二十四節気の霜降をすぎる頃には
さすがに気温も下がってきます。

天気予報などで伝えられる紅葉の情報なども
高山・高地だけだったものが 次第に
平地の紅葉名所が加わって来るのも
このころのことですね。

そして高い山はすでに冬籠りに入り
来年の春まで静かな時を刻むのです。

気温差が大きいほど 鮮やかな
紅葉になると言われていて
うっすら暖かいとか ぼんやしりた寒さだと
紅葉はするもののイマイチの色づきなのです。

気温差を色で表してくれているような…。ぷぷぷ…。

それから抜けるような青空が背景にないと
やっぱり少し物足りないですね。

美しい青を背景に 赤や黄色、常緑の緑が
織り交ぜられて絶妙な対比になるのです。

台風や秋の長雨に洗われた空気が大切なのかな。

美しい紅葉に欠かせない低めの気温ですけれども
紅葉狩りに行く人間には少~し辛いものが
あるかもしれませんので 何か羽織る物を
用意して楽しんでくださいね。
 
 

紅葉を楽しむ文化

 
広葉樹は広く世界中に分布していますので
特別 日本の紅葉だけが美しいわけではありません。

季節が巡り 気温が下がれば
それぞれの国で紅葉するはずです。

よその国の人々は 紅葉が美しいもので
これを見て楽しむもうという感覚と
習慣がないだけです。

例えばカナダと米国にまたがるロッキー山脈の
すそ野などの映像では美しい紅葉が見られます。

でもそこに住む人々は紅葉を見て
楽しもうとは思わなかったみたいですね。

…というか この辺りは
両国の国立公園とか自然保護区とかで
もの凄く広大な場所が無人だと
いうことも理由かも。

自然のスケールが違うんだわ…。

それに標高も…ですけれど
緯度もかなり高いので 今くらいの季節は
相当早く日が暮れますね。

すぐ夕方になっちゃうというか…。
たぶん紅葉をみて 楽しむとか
そんなこと出来ないわな…。だはっ

こればかりは それぞれに事情や
理由があるので何とも言えないですな。

日本を訪れた海外の観光客が 日本で
紅葉をみて 感激し帰国したら

自分の国にも同じような紅葉があるのに
初めて気づくみたいなことも
あるかもしれないです。

目の前や周りにあるのに 気づかない…
というか それに価値を見出せないのは
何か勿体ないですねえ。

感覚や習慣 それが積み重なって
文化へと発展するわけですが
何かに気付くこと 何かを見出すと
いうことの大切さですね。
 
 

巡る季節の指標

 
紅葉は気温が下がって 霜が降るのも
近いことを見える形で教えてくれます。

秋の取り入れも最盛期を迎え
冬への備えをする時期でもあります。

日本でも 最初は紅葉狩りなどは
上流社会の遊びだったと思います。

途中戦乱の世もありましたが
江戸時代まで脈々と受け継がれ
ついには庶民の楽しみにまで
根付いてきたのです。

暦を見て 周りの自然を見て
その中に季節の指標を見出す。

現在よりは確実に寒かったと想像しますので
紅葉が平地に降りて来るずっと前に
農作業はカタをつけておいたことと思います。

紅葉がきれいに見られる頃は
そんなに長い時間ではないのです。
すぐ後ろに 霜が忍び寄る…。

ある朝 色づいた葉っぱたちが
真っ白になっているでしょう。

その時は朝日で元に戻るけれど 二、三日後には
木々はすっかり葉を落としてしまうのです。

周囲から少しずつ 色が無くなり
やがて植物たちは冬の眠りにつきます。

朝日で消えていた霜も 徐々に残るようになり
やがて 霜柱や水たまりの
薄氷へと変わっていくのです。

個人的には 暑さよりも寒さの方が
まだ我慢できるので これからの
季節の方が好きなのですが…。

いい季節というのが短くて閉口するのですよ…。

風が冷たくなり 霜が降って
紅葉した葉が落ち葉になる頃 季節の歯車は
確実にカチッとひとつ進むのでしょう。

木々から紅葉した葉を散らせる風は
立てる音も寒々としてきます。

冷たい風は 乾燥していて 散らせた
枯れ葉にも乾いた歌を歌わせます。

聞こえますか?かすかな歌声…。

早まった日暮れに横たわる雲が
紅葉とは別の色に染まります。

これもまた 時間が短くて
あっという間に暗くなります。

秋は何もかもが 急ぎ足で過ぎて
行くような気がするのです。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

スポンサードリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました