今日はヘイエルダールの誕生日

ヘイエルダール 生誕 ガラス窓

 
ヘイエルダール 生誕
 
今日10月 6日は
トール・ヘイエルダールの誕生日です。

…といって あー、あの人ね…と
わかる人は少ないかも。

でもこう言ったら 知ってる!
という人が増えるかもしれません。

筏(いかだ)の船「コンティキ号」で
漂流して 実験を成功させた人…。

ノルウェーの人類学者で海洋学者でもあり 
探検もしちゃいました。

彼が生まれたのは1914年のこと 
100年以上も前ですね。

そのころはポリネシアの人々が
どこから来たのか誰にも分からず 
謎とされていたそうです。

まあ…だだっ広い太平洋に
点々とある島々にいったいどうやって
やって来たんだろうと 
白人には不思議だったわけですね。

雪と氷に 半年以上も閉じ込められる
人々にとって 海洋民族の驚異の
航海術なんて 全く夢物語のように
思えたのかもしれません。
 

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この頃の海洋学は どの辺りの海かな?

 
んなばかな…信じられない…で 
思考停止するんじゃなくて

ヘイエルダールさんのように 
自分で筏を組んで乗っかって
どこまで行けるか 実験すると
いうところがすごいんですよ。

もちろん 当時でできる限りの
安全策はきちんと講じているので

無謀な冒険ではなく きちんとした
学術調査といえるでしょう。

南米はペルーのカヤオという港から 
筏で漂流しながら 南太平洋の
ツアモツ島までの およそ
8千kmほどの航海に成功しました。

これは当時ヘイエルダールさんが
現地を調査して ポリネシアにある石像と
ペルーにある石像がよく似ていることや 

植物の名前など呼び方が
酷似していることなどを理由に 

ペルーがポリネシアの人々の故郷だと
論文で発表したんですと。

ところが学会は 
「んなわけないじゃん そんな昔の人に
あの海を渡れるわけないでしょ」と 
もろに否定したんですね。

現地を見て歩いて 類似性に着目して
論文にまとめているのに

海洋民族の航海術を 全く理解も
評価もしていなかった白人の学会なんて

ほとんど存在意義なんかないじゃんてくらい 
無知蒙昧を地でいってますな。

まあさすがにヘイエルダールさんも 
面と向かって否定されたので
頭に来たのかもしれませんね。

そこで1947年に 南米のバルサ材など
地元の材料で インカ帝国の船を模し

その太陽神の名をもらった
「コンティキ号」と名付けた筏を組みました。

その筏はスペイン人が描いた
図面をもとに設計したそうです。

ヘイエルダールさんとしては
巨石文明はペルーのインカ帝国から
イースター島にもたらされたに
違いないと考えていたんですね。

あの不思議なモアイ像は 
そんな文明が残した遺跡だと…。

で、4月28日 5人の仲間とオウム一羽で出発。

この地域は海岸から80kmほどの幅で流れる 
フンボルト海流があるですと。

一般に離岸海流というのはとても
強い流れだそうで 普通に遭難します。

仕方ないのでこれを乗り切るため 
ここは曳航船で引っ張ってもらうことにして 
その後 漂流したのだそうです。 

むりやり感がもりもりだけど…。ぷぷ…。

そして102日目の 8月 7日に
ツアモツ諸島の環礁に乗り上げます。

本当は イースター島をめざしたんだ
そうですけども 予定よりも
だいぶ西の方まで流されて行きましたね。

しかも地図で見ると 出発したカヤオと
ツアモツ諸島はほとんど同緯度で
真っ直ぐ西へ向かったことになります。
 
 

正しいと思ったら自分で立証

 
当時はドキュメンタリー映画になったり 
航海の成功が話題になりましたが

結局ペルーの人がポリネシアに渡ったという説は 
フンボルト海流を乗り越えないといけないし 

今の様々な方向からの人類の移動を考えると
少し違うかなという結論だそうです。

でも自分で実験してみるという姿勢は
大切だと思いますね。

ただ筏で漂流というのは 
やはり少し違うかなと思います。

海洋民族はカヌーを使いますし 
少々荒れた海だって早い海流だって
乗り越えられる 大ぶりの木を使った
安定感のあるカヌーだったのではないかなと。

あるいは大型のカヌーが作れるような
大木が手に入るなら マストに仕立てて

風の力を借りるという方法も 
あったのではないかしら。

早くて強い潮の流れを人力だけで
乗り切るのは さすがの海洋民族にもちょっと
荷が重い感じがしないでもないので…。

いずれにしても白人さまたちが 
海洋民族の航海術を評価していないことは
よくわかりましたけれどね。

日常的に海に関わっている人たちの
知識や技術は深いものなんですよ。

どこから来た「筏で漂流」という発想だったのか 
イマイチわからんですが

流木につかまった動物が 別の陸地に
着いたとか思っていたんでしょうよ
当時の白人さまの研究者さんたちは。 

猿じゃねえっつうの。

ヘイエルダールさんとしては 
自分の考察の正しさを
証明して見せたかった
のだろうと思いますけど 

大昔の人々の足跡を
自分で追っちゃうという 
その勇気と心意気には 心から
拍手を贈りたいと思います。

余談ですが 先日日本でも南の島から 
草で編んだような船で遠いご先祖さまが
辿った海の軌跡を再現しようと
した人たちがいたような…。

ヘイエルダールさんも
そのプロジェクトの人たちも 
大昔の人々が辿った潮の道が今でもある
(同じ海流がある)という前提なんですかね…。

私は山の民でまるっきりの素人だけど 
大昔とは潮の流れとか変わっちゃってる
…なんてことはないでしょうか…?(小声)
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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