昨日の七十二候 山茶始開(つばきはじめてひらく)の続き

つばきと雲 暦・季節

 
つばきと雲
 
今日は山茶始開(つばきはじめてひらく)に
ちなんで ツバキの方を取り上げて
みようと思います。

山茶花とよく似ていますが
ツバキはご存知の通り
花の形のままぽろりと落ちます。

散る姿が 首が落ちるような
イメージのせいか武士のみなさんには
好かれなかったツバキの花の最後です。

んん~…確かに花のまま
ぽろっと落ちるのは ちょっと
何だかなあ…ですよね。

花びらは悲しげに散った方がよかったかな。

ツバキさんからはうるさいなあ…散り方くらい
我々の好きにさせてくれよと クレームが
入りそうですよねえ…。^^;

植物の花が散る姿にまで
文句をつけたがるのは
日本人だけだと思いますけども。
 

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昔から人気があった冬の花

 
比較的大きな花だし 八重咲きとか
花びらがたくさんあるものもあるし

はらはらと散らせる方が 風情が
あるような気がする…。まだ言ってる。

え~…ツバキは平安時代から
いくつも文献に載るなど先人たちも
注目していた花みたいですね
まあ華やかですので目を引きますもの。

冬に花を咲かせる数少ない植物ですし
雪をかぶっても咲いている姿は
とても気丈な感じがします。

といってもツバキは本当に
寒い所では育ちませんでしたから
近代の園芸品種以外では
雪をかぶるような所では
咲かないだろうなあ。

そうそうツバキの種類が自生するのは
日本が北限なんですって。

江戸時代には園芸ブームが何度かあって
その時にツバキの花も色々なものが
た~くさん生み出されましたね
カタログまでありましたから。

山茶花を追いかけるように
やはり寒風の中で 緑の葉を茂らせ
大ぶりな花をいくつも繰り返し
暖かくなるまで咲かせ続けるツバキ。

色が減り寂しくなる一方の冬の風景の中にあって
いつも緑の葉っぱも 大ぶりで
つややかできれいなんですよね。

濃い目の緑の中に赤やピンク
白 しぼり 斑入りなど様々な色や
混ざり方があって そのどれもが
強いコントラストでとても目立ちます。

ちょっとこっちを見なさいよ!みたいな
強気な感じがするのです。

きれいで華やかな花の後のツバキの油も
日本女性の美しい髪の友として
珍重されて来ていますし
日本人とは本当に長い長い付き合いですね。
 
 

ツバキと日本人 切っても切れない

この付き合いの長さを考えると
武士さんたちを除いては
意外に人気があった
お花だったのかもしれませんね。

江戸時代のブームだって
火付け役は町人たちでした。

それを考えると どの時代でも
人気があったと言えるでしょう。

冬の花 常緑の葉と目で楽しみつつ
油もよい材料として実用的だし
ツバキは花の落ち方さえ
風情があれば 申し分ないのですが…。

完ぺきではない…まあそこが
いいのかもしれませんね。

種類は近いようですが
「ナツツバキ」といわれる花もあります。

こちらは秋には葉を落とすみたいですし
花の時期も春からです。

ツバキの仲間なのに
常緑ではないのですね。

お釈迦さまが入滅したのは
その木の根元だったと言われる
沙羅双樹という木の花に似た
純白のお花だそうです。

西日本ではお寺の境内などに
植えられているそうですが
沙羅木は暖かい場所を好む木なので
たぶん北の方では育たなかったのでは…?

そこで「ナツツバキ」を沙羅木に
見立てたともいわれているそうです。

お釈迦さまはインドの方だし
インドは熱帯ですからねえ…。

同じ花を求める気持ちはわかりますが
植生ばかりはどうにもなりません。

がんばって代わりの花を見つけた
そんな感じでしょうか。

でも見つかってよかったですね。
 
 

寒冷地ではちょっと厳しい冬の花

私の住む地域では寒すぎて
ツバキも山茶花も咲きません。

少なくとも温室として厳重に囲いをするか
家の中に持ち込むなどしないと
完璧に枯れますし 花はつかないと思います。

なので私のうちの近所で
見かけることは まずありません。

ただ関東のお都会(まち)に
行った時など 頻繁に見かけました。

冬でも緑が美しく赤い花が
たくさんついているのを見て
さすがに標高の低い所は違うと思いました。

生垣になっている山茶花を
見たのだと思いますね。

ツバキに至っては写真や映像、
植物図鑑でしか見たことはないです。

雪の多い地方では 寒ツバキとか
寒ぼたんなどという風情のある呼び方で
豪華な花と雪の共演を設えることが
あるみたいですけれども

お花さんたちに 相当
無理をさせていますね。(笑)

寒さに強い品種があるのかも
しれませんけれど…
やっぱりちょっとかわいそ。

それなのにそういう無理強いを
風情があるとかいって
やらかすですよねえ、人間は…。
もとい日本人は…が正しいですね。^^
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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