七十二候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

雷乃発声

 

今日は 七十二候の 雷乃発声
(かみなりすなわちこえをはっす)を
取り上げます。

春の暖かな空気が大勢を占める中
時々 北の方から冷たい空気の
塊りが南下してきてぶつかり合う…。

両者は仲良くできないので
雷が発生し易くなると…。

字面は「声」なので イメージでは
遠くでごろごろと春雷の音がする…
そんな感じでしょうか。

春は天気が変わり易いですからねえ。

「春夏秋冬」同じ字を使って
折々に季節を表しますが
日本は地域差が大きな国です。

雷に関しては 日本海側では夏よりも
冬の方に発生する率が高いとか。

そんな大きな地域差を ちょっと
無視した感じの七十二候です。
 

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雷の地域差が大きいことについて

春雷という名も 恐らくは
冬に雷のない地域の感覚では
ないかなと思います。

昔は 自分の住む地域のことしか
認識できないので 無理もない
ことかもしれませんね。

みだりに諸国へ出歩くなんてこと
できない時代もありました。

それぞれの地域の人たちすれば
へえ そんこともあるんだ…と
驚きの声が上がったでしょう。

隔てる山は一つかもしれませんが
山というのは大きくて高いです。

壁や屏風のように垂直に
立っているだけではなくて
裾野として広がりを持っているので
たいへんに距離があるのですね。

こちらと山の向こう側では
全然違う気候だったりするのです。

雷のように大きな音が轟くものでも
時期や発生の条件などが
違ってくるのですね。

春本番を迎えて 桜の季節に
花を散らす雨や強風を伴った雷の登場。

この季節の荒天は 必ずしも
雷を伴うというわけでは
ありませんけれど けっこう
荒れた天気になることもしばしば。

遠くで音だけがする春雷なら
風情もありますが
あっという間に頭の上にやって来て
ゲリラ豪雨とかは勘弁です。

天候は晴れても降っても 穏やかに
ほどほどにしてもらいたいですね。

 

一方 冬の長い地域では…

さてこの時期私の住む地域は まだ冬です。

冷たい空気の方が圧倒的に強いので
ケンカになりません。

すぐにヘタレて どんどん冷えて
雨が雪に変わります。

ケンカにならないので 雷も起こりません。
ただただ 寒くなるだけです。

ごく希に早く雷の音を聞くこともありますが
だいたい4月も中旬を過ぎているかと。

そのくらいの頃にならないと
暖かくなりませんので。

先ほどの山の話の通り 山のこちらと
向こう側では 季節が違うのです。

暖かさにも大きな差がありまして
こちらでは最高気温がひとケタで
氷点下と行ったり来たりです。

向こう側はひとケタになるのは真冬だけ。
一年中ほぼふたケタですもん。

氷点下のふたケタになる地域とは
一緒にならないです。

今頃からようやく三寒四温になるので
だいたいひと月ほど違いますね。

春雷はごくたまにあることで
雷が発生する時はすでに初夏です。
なので本気の雷雨が襲来します。

そんな環境のせいか 春雷という響きに
何だか風情というか趣を感じるのですね。

実際の姿をよく知らないせいかも。
遠くで聞こえるからいいのでしょう。

近くだったら雨風ともに 強いでしょうし
素直に恐怖を感じると思われます。

自分のとこに直接的な「害」がない状態なら
風情がなどと言っていられるんだろうな。

加えてこの七十二候の字面では
日本人お得意の「擬人化」がちらりと。

まるで雷さんが発声練習でも
しているかのような印象を受けます。

あーあーあーあーあーー
(ドミソミド~)みたいな。(笑)

昔の人はあの「風神雷神図」のような
イメージで捉えていたかもしれません。

でもあれだって雷さんは太鼓を
叩いている感じですよね。

低く響いて大きな音の出るものとして
太鼓が選ばれたのでしょう。

何かを叩く音であっても「声」の字を使う。
虫さんたちのラブコールもそうですね。

感覚で捉えるというか右脳で聴くというか
そういうことが私たち日本人のDNAに
刻まれているんだろうなと。

すっかり暖かくなって 天気が毎日
日替わりでころころ変わる時期。

そんな中 遠くで雷の音が聞こえる…。
もちろん毎年必ずあるというわけではなく
過ごしてしまうこともあったでしょう。

天気として不安定な時期の産物…
春雷はそんなものかもしれません。

 
お読みいただきまして ありがとうございました。

 

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