七十二候の楓蔦黄(もみじつたきばむ)の通りに

楓など落ち葉 暦・季節

 
楓など落ち葉
 
明日が七十二候にある楓蔦黄
(もみじつたきばむ)に当たるのですが
もうすっかり秋ですね。

春の花と秋の紅葉は植物 特に木族が
見せてくれる一大イベントです。

自ら動くこともなく 声も発しませんが
植物たちの意思表示みたいに思えます。

いったいどれくらいの時間をかけて
手に入れたのでしょう?

植物は動物の仲間よりも はるか昔から
地上にあり 極端な環境変化にも
屈することなく生き延びてきました。

長い長い歴史の中で
究極のエネルギー代謝とも言える
光合成を手に入れました。

種類を増やし 体を変化させ
大きくたくましくなった者もいます。
 

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楓蔦黄という現象を生んだもの

 
環境の変化に対応するためではないかと
思うのですが 成長を遅くするとか
逆に命の代替わりを早くするとかして
生き残りをかけた種類もあったかもしれません。

やがて周りをちょこまかと動き回る
動物たちや 風、空を飛べるようになった

昆虫やそれを食べる鳥たちなどを利用して
生息範囲を広げたり確実に子孫を残してきたのです。

地球の生き物を根底で支えてきたし
今も支えていると言っても
過言ではないのが植物たちなんですね。

環境に適応する能力の高さは
驚異的なものがあると思います。

常緑樹の多くは寒い環境に
適応していますので成長がかなり遅いです。

植物が寒い環境に適応したというのは
革命的な変化だと思うのです。

温度って植物にとっては
命の次に大切な要素ですからね。

そのせいかもしれません、
広葉樹とは違い その名の通り
いつでも葉緑素たっぷりの
葉っぱを茂らせています。

真っ直ぐに高く高く伸びていって
寒くても光合成をしようとしています。

針葉樹ともいいますが 針のようで
一枚一枚の面積はとても小さいけれど
それを数でカバーしてがんばっているのです。

高山帯に適応した種類は 高さは無いですが
斜めの地面にへばりつくように茂って
少し面積が広めの葉っぱです。

あるいは草と見間違うほど
身体を小さくした子もいますね。

広葉樹は比較的温暖で 雨も多く
植物の環境としては か・な・り
いい場所を選んだと思います。

面積の広い葉っぱは太陽の光を
たくさん浴びることができますが
ある意味で「使い捨て」のような
感じになりましたね。

一年の中で 生まれて活躍して
力尽きて落ちてしまう…という
サイクルになったのです。

広葉樹でも葉っぱの再生が
重なっている種類もありますが
それはたぶん生き残りの策かと。

気温が上がって暖かい時期に一気に成長して
寒くなったら休憩しようかな…という
パターンを選んだというか…。
いろいろ都合がよかったんでしょうね。

恐らくそういうパターンに
落ち着くまでにも途方もない時間を
要したであろうことは容易に理解できます。
 
 

楓蔦黄に気がついたのは…

 
広葉樹の多くが使い終わった葉っぱを
落とすわけですが 一年のサイクルでみると
「老化現象」に近いのかもしれませんね。

それぞれ葉っぱを維持する力が
弱まるタイミングで その種類ごとに
特定の色素が増えるなどして 葉っぱの色が
変わってくる…これが紅葉ですね。

そのきっかけというかスイッチを押すのが
気温だったり 日の長さだったり
季節の移ろいを敏感に感じ取るのだろうなと。

多くの広葉樹にとっては使い終わった
葉っぱを維持するのも大変になって
くるのかもしれません。

数もありますし 面積の広い葉っぱは
冷たい空気に晒される面積も広くなりますから。

植物は冷え症なのかも…?ぷぷぷ…。

要らなくなったというか色々な意味で
つけておく方がデメリットが大きいと判断して
葉っぱを落とす決断をしたのかな。

結果、その方がよかったので
選択的に残って来たのだろうと思うのです。

広葉樹の葉っぱを染める色素たちだって
木々たちの都合で体に取り込まれたのかも
しれませんし あるいは作り出しちゃった可能性も…。

葉緑素の他にも 一緒に持っているけれど
量の問題や影になってて 表からは見えないとかかも…。
 
 

楓蔦黄からイメージすること

 
秋を迎えて スイッチが入って色が付き始めて
変化が目に見えるようにならないと
人間は気が付きませんからね。

その人間という種族も出現したのは
植物から見ればついさっきくらいのこと。

こいつらは うほうほ言いながら
木や植物などを利用しまくりました。

そしていつの間にか この地球の
主みたいな顔をしています。
長い時間をかけて 植物たちが築き上げてきた
環境を壊しまくり 増殖を繰り返しました。

ここではそんな中の大陸から離れた島に
閉じ込められた集団を取り上げます。

火山列島で大きな海に面しているので
自然災害が多くて大変でした。

ですが海流のおかげで多雨のため広葉樹にとっては
楽園で 大きな森を作っていました。

そして人間は周りにあった豊かな木を生活に使い
いつしか使った後は 新しく苗木を
植えることを覚えました。

生活に根差した自然観察の中で 広葉樹の
獲得した1年のサイクルを発見したことでしょう。

寒くなる前に葉っぱの色が変わり しばらく経つと
裸木になるもの、あるいはツルで他の木に巻き付き

やはり寒くなる前に葉の色が変わって
散ってしまうもの、雪が降っても
緑色の葉っぱがついたままのもの…。

この島が 適度に大陸から離れていたため
同族が大挙して襲ってくることがほとんどなく
この集団は 独自の文化を育てました。

木と紙の文化などとも言われます。

楓蔦黄によせて 大袈裟な
妄想の風呂敷を広げてみました。

このくらいで止めにしておかないとキリがないので…。

暦への追記もですけれど 身近にあったものを
大切に使いながら保全にも努めてきた
ご先祖さまに感謝です。
 
お読みいただきまして ありがとうございました。
 

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